158神猫 ミーちゃん、みんな家族だと思っています。
ルーさんはさっそく宿から移ってくるそうでユーリさんと一旦帰って行った。
ここから街の中心部までは結構な距離がある。買い物に行くにしても馬車などが必要になってくるね。スミレは俺が居ないと他の人を乗せないし……馬って高いのかな草竜のバムっていくらぐらいするんだろうか? 後でベン爺さんに聞いてみよう。
夕方になり、ペロとセラが戻って来ると同じ位にルーさんも荷物を抱えてやって来た。
「ルーさんにゃ!」
「にゃ!」
「がう!」
「当分厄介になるから、よろしくな」
ルーくんがルーさんにムニュムニュされていると、ラルくんも僕も~ってルーさんに寄って行く。
「なんだ、ちびっ子が増えたのか」
「子犬のラルにゃんにゃ」
「ラルって言うのか、俺はルー、よろしくな」
「きゅ~」
「きゅ~って、犬らしくねなぁ~」
犬じゃなくてドラゴンですから……ルーさんも単純な人で良かったよ。
ルーカスさん達にもルーさんを改めて紹介し、当分うちに住む事になった事を説明する。
「よろしく頼むぜ」
ヤナさんの顔がちょっと赤味を帯びてる感じがする。あれれ? もしかして、一目惚れ?
「み~」
そうなの、ミーちゃん? ルーさん、格好良いって言うより可愛い系だけどそれが良いって事なのかな?
夕飯まで時間があるので、スミレの所に居るベン爺さんに話を聞きに行こう。
「ふむ。買うとなると馬は高いのう。買うならバムの方が安さではお勧めじゃが、街中となるとのう……」
ベン爺さんに相談してたら、ぶるるってスミレが何か言ってます。
「スミレにゃんが馬を連れて来るって言ってるにゃ」
「ん? 野生の馬を連れて来るって事?」
ぶるるって肯定の仕草を見せる。
「成程のう。バトルホースならできるかもしれんのう。調教は儂がすれば問題なかろう」
じゃあ、お願いしようかな。一緒に行った方が良いのかな?
「一人で大丈夫って言ってるにゃ」
そうなんだ……なにからなにまで済まないねぇ。
明日、ペロ達と一緒に外に出て数日後に戻って来ると言う事になった。門の衛兵さんにその事をちゃんと言っておくようにペロに念をおしておく。
「任せるにゃ。ちゃんとお願いして来るにゃ」
夕食は一人増えただけだと言うのにとても楽しい夕食となった。ルーさんは気さくで楽しい人だから、みんな気兼ねなく接する事ができる。良い兄貴って感じかな。
ペロとルーくん、ラルくんはお風呂も一緒に入っていたね。セラが入らなかったのは女の子だからなのかな? でも、俺とは一緒に入るよね? お、男として見られていない!?
「み~」
ミーちゃんが違うよ~みんな家族だよ~って言ってくれてます。か、家族ですか……だ、だよねぇー、安心したよ。
「にゃ」
セラが顔をペロペロしてくれる。俺がお兄ちゃんなのか、セラがお姉ちゃんなのかは聞かずにおこう。おそらくどちらも違う意見だと思うから……。
翌日から、さっそくルーさんはペロとセラと一緒に出掛けて行った。スミレも連れてね。
屋敷に用意した神猫商会の部屋でミーちゃんは机の上に置いたクッションの上でまったり中。俺はカティアさんと魚の買い付け表やベルーナとヴィルヘルム間の交易の品などの選定作業をしている。途中にブロッケン山の妖精族と飛龍の駐屯地への物資も考えないといけないので結構な量になっている。
ベルーナとヴィルヘルム間の交易とブロッケン山の妖精族と飛龍の駐屯地への物資搬入は切り離して別の商隊を組んだ方が良いかなって考え中。途中の村などでの交易も考えてる。今は、ミーちゃんバックがあるから気にしないでやってるけど、結局俺とミーちゃんが動かないと商売にならないのでは神猫商会の未来は暗い。
ブロッケン山は当面は俺とミーちゃんがやるとして、ベルーナとヴィルヘルム間の交易は誰かに任せてやった方が良いと思えてきた。商隊の護衛を妖精族や牙王さんに依頼すれば、妖精族の地位向上ができるんじゃないかなって思ってる。
転移装置を使う事も考えたけど流通の手段として使う事は止めることにした。どうしても時間的に矛盾がおきるからね。単身でスミレに乗ってと言うならいくらでも誤魔化せると思うけど、商隊クラスの荷物の量になると何度もやれば誤魔化しきれなくなってくる。
転移装置を上手く使っていく為にも商隊と言う隠れ蓑が必要だとも思う。やり過ぎれば目を付けられかねない。面倒事は極力避けたい主義。
そうそう、新しいスキル二つを取った。土スキルと時空間スキルです。土スキルはアレックスさんが持っていたので何度か見せてもらった事があるから覚えられるようになったと思う。
問題は時空間スキル。収納スキルなんかの上位スキルのようだけど、収納以外にも使い道がありそうなんだよね。鑑定で調べても時間と空間を制御できると出ている。空間はなんとなくわかるけど、時間を制御って? よくわからん。ちなみに、時間を止める事はできませんでした……。た、試しにやってみただけなんだからな!
では、なぜ覚えられるようになったか。考えられる事は二つ。烈王さんに会った事、もう一つは転移装置を何度も使った事からと考えられる。烈王さんと会った時に烈王さんはあの時、何かしらで時空間スキルを使っていたのかもしれない。今度会ったら聞いてみようと思う。
これで収納スキルのように異空間に収納できるようになったのだけど、収納できる容量は二立法メル程度。今後大きくなるかもしれないけど、基本はミーちゃんバックに頼るしかないと思ってる。安全安心だしね。
「み~」
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