156神猫 ミーちゃん、ペロに貯金するように説得する。
広いベッドにフカフカマット最高です。寝室にベッドは二つあるので、一つは俺とミーちゃん、もう一つはペロとセラ、ルーくんにラルくん。セラはペロと一緒に寝るのが嫌みたいだけど、ラルくんは喜んでいる。
お風呂も広くて良かったです。檜ではないのだろうけど良い香りがしたね。みんな、まったりでした。
「み~」
ルーカスさん達にも後で入るように言うと驚いていたけど、とても喜んでいた。お風呂、言わなかったらどうするつもりだったんだろうね。
当面は落ち着くまで王都でゆっくりするつもり。ペロはセラとハンターギルドで依頼を受けると言って朝早くから出て行っている。ルーくんとラルくんはスミレと牧場に遊びに行ってしまった。
ミーちゃんはララさんとヤナさんにブラッシングしてもらい、気持ちよさそう。
俺は、取り敢えず転移装置の検証をしようと思う。先ず初めにブロッケン山の洞窟に飛ぶ。急に明るい場所から暗い場所に来たので目が慣れるまで時間が掛かったけど、間違いなくブロッケン山の洞窟だ。今度はヴィルヘルムに飛んだ。大工さん達はまだ来てないようだけど、屋台がないのでアレックスさんとクラウディアさんは中央広場に行った後だろう。
ちょっと覗いてみよう。
中央広場に行くとまだ朝方だと言うのに屋台の前に多くの人が居る。格好からハンターさん達だね。寄ってみると男女比は半々、注文しているのはお団子のようです。
ハンターの女性陣はアレックスさんからお団子を渡される度、キャーキャーと黄色い歓声が上がっている。男性陣はお団子ができるまでクラウディアさんに猛アピール中のようです。美男美女……悔しくなんかないんだからな! 帰ろう……。
支店に戻ると大工さん達が集まり始めていたので声を掛けて進捗状況を聞いたら順調だそうです。それは良かった。大工さん達が仕事を始め馬屋の前から居なくなったところでベルーナの家に飛んでみた。目の前はベルーナの家の横の馬屋です。飛べましたね……もしかして、無制限? これも他の人に知られると不味い代物、注意しよう。
家の中に入り一階にある図書庫を覗いてみる。多くの本が棚に並んでいる。どうやら、そのままの状態で貰えたようだ。棚は沢山あるのでミーちゃんバックに入ってる大量の本もここに移そうか。
興味を引いた一冊を持ってリビングの椅子に座ると、ミーちゃんが乗ってきて丸くなる。
「み~」
ブラッシングして貰ったばかりなので、銀糸のように艶々です。
「やっぱり、ネロ様の方が良いのですね」
「み~」
まあ、当然だね。
午後は軽くサンドイッチを食べてからキッチンの冷蔵庫にミーちゃんバックから食材を移していく。
「さ、魚ですかー!」
「売り物ではないのですか?」
売り物と言っちゃあ売り物なんだけど、まだ卸す先が少ないんだよね。ヤナさん猫獣人だからペロと同じでお魚に目がないと見える。
「ネロ様、まだ多くの魚介類をお持ちなのでございますか?」
「一杯持ってますね」
「そう言う時は商業ギルドを使うのがよろしいかと」
カティアさんが言うには、同じ商品がダブついた時などは商業ギルドに仲介してもらうそうです。手数料は取られるけど欲しがっている相手を商業ギルドの方で集めてくれ、そうして相手と繋がりを持ち取引先になる事があるそうです。
ほう。これは利用せねば。
「み~」
さっそく、スミレに乗って商業ギルドに来ています。
「成程、魚ですか。それは急ぎますね。わかりました。明日の昼までに集めましょう。欲しがる店はいくらでもありますので」
「み~」
担当さんにギルド証を渡して手数料を払う。明日、払うのは税金だけ、思ったより安いもんです。これで、魚が捌ければウハウハです。
ギルドの帰りにウイラー道具店に寄ってシュバルツさんの荷ほどきのお手伝い。ミーちゃんも一生懸命、紐を外そうとカリカリ、ハムハムしてたけど無理そうなので、ミーちゃんの笑顔で応援してもらう事にした。ニコニコ顔に俺もシュバルツさんも癒されてます。
夕方までお手伝いして家に帰った。お手伝いは甥御さん達が来るまではしようと思ってる。
「み~」
ミーちゃんも当然だよ~って言ってます。ある意味、ビジネスパートナーですから。
「ペロとセラにゃんは超一流のハンターにゃ!」
「にゃ!」
ペロとセラがリビングでララさん達相手に、今日のハンターギルドでの出来事を身振り手振りで面白可笑しく語って聞かせている。
ゴブリンの討伐依頼を受けて十体程倒してきたようだ。ペロは猫袋と言う収納スキル持ちだから倒したゴブリンも持ち帰り換金したはず。
「依頼料は?」
「全部使ったにゃ」
「全部? どこで?」
「屋台にゃ。お昼食べてにゃかったからにゃ。セラにゃんとお腹一杯食べたにゃ」
昼食べてないと言ってるけど、カティアさんが朝持たせたサンドイッチはどうしたよ?
「屋台の料理と一緒に美味しく食べたにゃ」
「にゃ」
「みぃ……」
ちゃんと食べたんかい……流石、無限胃袋。ミーちゃんも呆れ顔。これはいけないね。
「これからは稼いだお金の三分の一は貯金します。これは決定です。ちゃんと持ち帰るように!」
「み~」
「そ、そんにゃばにゃにゃ……」
「にゃ……」
貯金しておけば、急に何か欲しい物ができた時買う事ができると説得。ミーちゃんの一声もありなんとか納得できた。
屋台で相当な量を食べて来たはずなのに、夕食はぺろりと平らげる。恐るべし、腹ペコ魔人。
夕食後は外にある井戸で氷作りに精を出す。明日の商業ギルドでのお魚販売の準備です。野営用の風呂桶として買った桶に十セン程水を入れ凍らせ、ミーちゃんバックにどんどん収納してもらう。
ルーくんとラルくんが失敗した氷の上で遊んでいるけど冷たくないのかな。
結構な量を作ったので余程の事がないと問題ないでしょう。氷の上におけば魚も傷まないと思う。少しでも良い物を買ってもらいたい。そして上客に……クックックッ。
家に入るよってルーくんとラルくんを見るとブルブル震えている。二人共寒さに強い種族のはずなのに……。
二人をミーちゃんと一緒にバスタオルにくるんで、お風呂に直行。お湯を掛けてあげるとやっと震えが止まり湯船に飛び込んで行った。せっかくなので俺も入っちゃおう。ミーちゃんも入るよね。
「み~」
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