142神猫 ミーちゃん、神猫商会壱号店を手に入れる。
朝起きると雨だった。
商業ギルドに行くと言ったら、ミーちゃん以外部屋に居るそうです。ドラゴン組も部屋で待機してもらう事にした。ミーちゃんはキャリーバッグの中に居るので濡れる心配はない。俺は宿にあった雨具のカッパを借りて、商業ギルドまで歩く。
商業ギルドの中に入るとすぐに部屋に案内され、昨日の担当者さんが現れた。
「これは神猫商会様、お決まりになられましたか?」
「み~」
ミーちゃんの言う通り担当者さんに二階建ての建物を買う事を伝え、改修工事をしてくれる業者さんを紹介して欲しいとお願いする。
「わかりました。それでは、すぐに呼びに行かせます」
「すぐじゃなくても構いませんよ」
「今日は雨ですから仕事も少ないでしょう。丁度良いのですよ」
成程、雨が降ったら仕事は休み。晴耕雨読、しょうがないよね。
ミーちゃんをモフモフしてたら、本当にすぐ来たよ。
昨日、見に行った時にマップスキル使って見取り図は作っている。それを紙に描き出して、改修する場所を描いていく。
一階は、売り場兼調理台を通りに向かって店先に作る。店内販売はせず、店頭販売のみにする予定。他に、調理場と事務所と倉庫を作る。二階は全て居住スペース、俺達もここに泊まれるようにね。外の倉庫は半分を馬舎にしてもらい、スミレが休めるように作り変えてもらおう。
担当者さんと大工さんが話し合い金額を提示してきた。全て込みで八千万レト。これでもだいぶまけてくれたそうです。烈王さんのお金がなかったら、手が出ない金額だね。もちろん、即決。良いよね、代表?
「み~」
良きに計らえって事ですね。了解しました。
工事は設計をすぐにおこない、材料が手配付き次第始めてくれるそうです。全部終わるまで二ヶ月程度かかると言われた。まあ、仕方ないでしょう。ミーちゃんバッグからお金を出してもらい渡す。金額が金額だけに数人がかりで数えてます。
その間に担当者さんに中古で良いので移動式の屋台を手配してもらい、屋台営業の手続きもしてもらう。丁度、商業ギルドの倉庫に注文され作ったけど、キャンセルされた一台が眠っているらしいので後で見せてもらう事にする。大工さんに言えば格安で使いやすいように直してくれるとも言っているので助かる。
全ての書類関係に目を通してからサインを済ませる。これであの土地と建物は神猫商会のものです。神猫商会壱号店と言ったところですかね。
「み~」
ミーちゃん、とっても良い笑顔でコクコク頷いて、神猫商会の新たな躍進がここから始まるのだぁ~って言ってます。
契約も済んだので担当者さんと大工さんと倉庫に行き、キャンセルされた屋台を見せてもらうと思った以上に素朴でごっついです。コンロを置く場所に調理台、食器置きの棚、ミニキッチンと言って良い程の充実ぶり。でも、俺が求めてるのはこんなんじゃない! こうもっとファンシーな感じでおしゃれ的な物なんだよね~。
なので、改造してもらいましょう。調理台はそれ程必要ないので、調理台の場所に材料を入れておくスペースを作ってもらい、二重の銅製の箱を設置してもらう。氷を下の銅製の箱に敷き詰めれば冷蔵庫代わりになる。氷はいくらでも作れるからね。
コンロ部分は餅焼用に残してもらい、角ばった屋台を全体的に丸みをもたしてもらう。色は自分達で塗ろうか?
「み~」
後は折りたたみの椅子二つと小さいテーブルのセットを二セット注文しておく。大工さんは全てを二日で仕上げてくれるそうです。色は自分達で塗るので、塗料と道具だけ用意してもらう事にしました。
後は備品集めだね。コップなどは既製品で良いとして、アイスキャンディーの棒などは依頼で作ってもらうしかないのかな? 担当者さんに聞いてみると、串焼きなどの串を専門に作ってる職人さん達を紹介してくれました。この後行ってみよう。
担当者さんと大工さんにお礼を言って商業ギルドを後にした。
雨の中なに直接街並みを見たかったのかキャリーバッグから俺の服の中に移り、濡れないように頭にタオルを巻いたミーちゃんが俺の服から顔を出している。俺達は今ヴィルヘルムの中でも大きな雑貨屋に向かっている。こんな雨の中でも、忙しそうに大勢の人達が行きかう。荷馬車に、ハンターさん、買い物に来た街の人達、流石公都だけあって活気があるね。
「み~」
雑貨屋さんに着き、物色開始。木製のコップに皿は値段は安いけど素朴過ぎて味気ない。ここはファンシーな店を目指す以上、色付きの食器が欲しいところ。そうなると陶磁器かな、陶器製よりは磁器製の方が見た目てきに良いけど高いね。
お餅を載せるなら陶器製の方が風情があるような気もする。でも、渋すぎるかなぁ。フローズンを入れるなら、ガラス製が良いけど更にお高め。屋台で出す代物じゃない。
結果、お皿は陶器製、コップは磁器製、そして長めのスプーンを複数と大きめのゴミ箱を買い、串を作ってる職人さんの元に向かう。
紹介してもらった職人さんに木製で十五セン程の棒と竹のような素材の串を二十セン程で大量に注文する。定期的な売買契約を結び書類にサインして完了。
職人さんにのぼり旗や暖簾を売ってる場所を聞いてみたけど、この世界にはないようです。これも自分達で作るしかないね。骨組みは職人さんが作ってくれると言っている。紙に絵と寸法を書いて注文しておいた。
今度は布屋さんかぁ。買い物も楽じゃないね。
「み~」
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