141神猫 ミーちゃん、OKサインを出す。
うーん、凄いんだけど、用途が思いつかない。人間冷凍庫、普通に冷凍庫あるしなぁ。人間エアコン、連続はきつそう。
今度は果汁水を過冷却状態にしてもスプーンでかき混ぜフローズンを作って二人に渡す。
「これもスキルなのか?」
「美味しい♪」
二人に水スキルで温度を変える方法とイメージを教えた。実際にクラウディアさんにやってもらう。氷スキル持ちのせいか凍らせるのは意外と簡単にできたけど、水の温度を上げるのには苦労していた。
クラウディアさんが訓練してる間にアレックスさんに何をするかを説明しておこう。ミーちゃんは部屋の温度が元に戻ったので俺の服から出てきたよ。
「み~」
「先程作ったフローズンと果汁水に少量ハチミツを加えた物を凍らせてアイスキャンディーにします。ミルクを加えたアズキバーも良いですね。それを店頭販売しようと思っています」
「み~」
「俺は水スキルを持っていないが、何をすれば良い?」
「アレックスさんにはお餅を焼いて売ってもらおうと思っています。他にも味噌玉と醤油に保存用の餅も売ろうと思っています」
「餅とは庭で叩いて作ったやつだな」
「あれを一晩おくと固くなるので、一定の大きさを決めて切っておけば売りやすいでしょう。それに店頭で焼いて売ればどうやって食べるかもわかるでしょうしね」
「ふむ、そうやって金を稼ぐのだな」
「はい、その為にお店が必要なんです」
候補の二つの場所があるけど既に決めている。メイン通りを一つ入った通りの角の二階建ての建物、人通りも多いから悪くないと思う。元宿屋は立地条件は良いけど使い勝手が悪すぎる。
明日、商業ギルドに行って買い取りを決めて、改修の話も決めてきたい。いつまでも、この宿にいる訳にはいかないからね。
夕食の時間になるとみんな戻ってきた。みんな晴れやかな顔になってる。たまにはこう言う時間も作らないといけないね。やっぱり休息は必要だよ。
「み~」
夕食時、ドラゴンの二人は普通に食事を食べている。大人になると月一くらいでしか狩りをしなくても良いらしいです。とても燃費の良い体ですね。今食べてるのは人族の勉強としてと、それを抜きにしても料理が美味しいからだそうです。
ラルくんは、全てが珍しいらしくミーちゃんの猫缶の載った皿にも首を突っ込み、セラが食べてる皿にも首を突っ込んでは料理を食べている。大人になるまではドラゴンは食欲旺盛なんだそうだよ。こりゃあ、腹ペコ魔人三号誕生でしょうか……。
食事が終わり、お腹がパンパンに膨れたペロ達はベッドで休み、俺はアレックスさんとクラウディアさんとメイドさんが入れてくれたお茶を飲みながら、お店の運営について話をしている。ミーちゃんも一緒。
アレックスさんもクラウディアさんも読み書き算術は問題無いと言っている。料理はした事はないそうだけど、餅つきの時の器用さがあれば問題無いでしょう。細かい話は始まってからで良いので、大まかな流れを聞かせた。
保存食のメインターゲットはハンターさん達なので、早朝は保存食と餅焼がメインとなり、暑くなってくる頃からはアイスキャンディーなどがメインになってくるだろうと聞かせる。後はやってみてだね。
「そう言えば。烈王様からネロに預かってきた物がある」
アレックスさんはテーブルにいくつかの品を出してきたので鑑定してみた、AFです。
影出しの指輪 装備者の近くに装備者と同じ形の影を出す。なんに使うの?
加護の腕輪 神の加護が得られるらしい。らしい?
防御の腕輪 装備した者の周りに薄い膜を張り飛び石程度のダメージから身を守る。飛び石程度って……。
身代わりのネックレス 一度だけ即死ダメージの身代わりになる。確率一万分の一。それって、まず助からないよね……。
異常状態軽減の指輪 異常状態になる確率を微軽減する。微ってのが怪しいね。まあ、この中ではまともかな。
転移装置 付属の板を置いた場所に転移できる。五枚の十セン程の金属製の板に記号が描かれている。他には五セン程の金属製の板の付いたネックレスがある。むむ、これは大当たりの予感がしますよ。
「どれか選ぶんですか?」
「いや、一つ以外はゴミに近いから、全て渡せと仰られていた」
確かに転移装置以外は、使い道に困るね。性能が微妙すぎる。けど、自分なりにAFについて考えてきた事の検証には使えそう、ありがたく頂戴します。
他は別として、転移装置は神様仕様の猫用品クラスのチートアイテムかもしれない。五枚の金属板があるから五ヶ所の転移ポイントを作れる事になるのだろうか? 検証が必要だね。
烈王さん、お酒の代金って言ってたけど破格の代金でしょう。本当に使えるAFなら烈王さんに足を向けて寝れないです。
クラウディアさんの訓練も一段落がついたので、最初に二人にお風呂に入ってもらう。後で良いと言ってきたけど、俺がゆっくり入りたいので無理矢理最初に入ってもらった。
最初に入ったのはクラウディアさんで、もちろんメイドさん同伴。途中、悲鳴に近い声が聞こえ、アレックスさんが怪訝な顔を見せたが無視。あがってきたクラウディアさんは顔を赤らめなんか艶々していた。次に入ったアレックスも同じで悲鳴が聞こえてきた。クラウディアさんは必死に笑いをこらえていたね。
あがってきたアレックスさんはゲッソリ顔で、逆にメイドさん二人はやり切ったと言う満足顔。アレックスさん、お疲れさん。
俺もミーちゃん達もゆっくりお風呂に入り。あがってからデザートタイム。クラウディアさんにフローズンとアイスキャンディーを作ってもらい、みんなで試食。ミーちゃんのアズキアイスも問題無い様子。これなら十分やっていけると思う。
どうでしょう。代表?
「み~」
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