138神猫 ミーちゃん、神猫商会の社員を雇う。
醤油と味噌は瓶詰めに時間が掛かるので、二日後の受け渡しとなり今ある三十瓶分だけ受け取とることになった。
もち米は十俵、六百キリ(一キリ=一キロ)ミーちゃんバッグに収納してもらい、臼と杵も三セット購入できた。これで餅が食べれるよ。餅はある程度なら保存食として使えるのでハンターさん達に売れるんじゃないかなぁ、なんて捕らぬ狸の皮算用みたいな? 事を考えたりするのよ。
さあ、帰って餅つきをしよう。餡子もきな粉も醤油もある。よ、よだれが……。
宿に戻ると、支配人さんがお客様がお見えですので部屋に案内しましたと言ってきた。
ドラゴンさんだね……餅の事を考えていて、すっぽり抜けてましたよ。
部屋に入ると男女二人がソファーに座っており、フサフサのちっこい白竜がパタパタ宙を飛んでいる。俺を見た二人が、ソファーから立ち上がり礼をしてくる。メイドさんにお茶をお願いして俺もミーちゃんを抱っこしてソファーに座る。ペロとセラ、ルーくんはテーブルの所でメイドさんから、ミルクとお菓子をもらって食べるようだ。
「お初にお目に掛かります、ミー様、ネロ殿。俺はアレックス 、こちらはクラウディア、小さいのがシュトラールです」
空を飛んでたちび竜が降りてきて抱きついてきた。
「きゅ~」
「み~」
ミーちゃんとちび竜が向かい合い、見つめ合う。ミーちゃんがちび竜の顔をペロペロすると、ちび竜は嬉しそうにミーちゃんに抱きつきスリスリし始める。どうやら仲良くなったみたいだね。
「
「ご説明する前に、シュトラールの事からお話させて頂きますわね」
クラウディアさんと言う美人さんが言ってくる。アレックスさんはイケメン、クラウディアさんは美人、シュトラールは一見翼の生えた犬に見え超可愛い。ドラゴンてみんなこうなの? 俺に喧嘩売ってるわけ? 美人とモフモフは許すけどね。
「シュトラールは
ん? 預ける? もしかして……。
「シュトラールが戦力増強要員って事ですか?」
「きゅ~?」
「み~?」
「はい。そう伺ってますわ」
「シュトラールはまだ幼いですが、
「み~」
それはなんとも過大な評価、ありがとうございます。小心者の小市民的な俺が天下を狙うなんてありえないからね。くれると言われたとしても、いらねぇし。
「よろしくな、シュトラール。ラルくんで良いかな?」
「きゅ~」
「み~」
戦力増強要員についてはわかったけど、お二人はどうすれば良いのかな?
「
「そこで、我々が人族について学んで来ると言う事になり」
「そのような時にネロ殿が
「要するに、何がしたいんですかねぇ?」
「人族としての生活をし人族について学びたいのです」
「わざわざですか? 自由も少ない制約も多い人族の生活を?」
「「はい」」
そう言って大きな袋を二つ出してきた。でかいし、重そうだよ。
「半分はネロ殿への報酬、半分は我々の支度金としてお使いくださいとの事です」
「平民の暮らしをさせ、贅沢はさせるなと
袋の中身を見ると、一つは金貨、もう一つは宝石の原石らしき物がじゃらじゃら入っていた。おいおい。贅沢させるなってどのレベルの話なんだよ。まあ、働ければ良いって事ね。丁度良いので、神猫商会ヴィルヘルム支店作っちゃおう。
「み~」
代表の承諾も得られました。
「それでは、お二人を我々の神猫商会に雇うと言う形にします。よろしいですか?」
「異存はありません」
「ネロ殿にお任せしますわ」
「それでは、これから一緒にやっていく仲間ですから、形式ばった話し方はやめてくださいね。殿も不要です」
「わかった、そうさせてもらう」
「私は最初から普通に喋ってましたわよ?」
クラウディアさんはそんな感じでしたね。なら、良いのですよ。
「お二人は、水スキルって持ってますか?」
持ってなければ、持ってる人を雇えば良いだけなんだけどね。
「私が炎、氷、水スキルを持ってますわ」
「俺は炎、大気、土スキルを持っている」
竜は生まれた時から炎スキルを持っていて、その他にいくつかの属性スキルを持つようになるそうです。ちなみにブレスは固有スキルなので、炎スキルを持っていてもブレスは使えないそうです、残念。ちなみに、ラルくんは炎、光スキル持ち。光スキルって相当レアなんだそうです。ラルくんって実は凄いの?
「きゅ~」
クラウディアさんが氷、水スキル持ちなのでフローズンに氷菓子は任せられるね。これで目処が立った。
取り敢えず、そっちの事は置いといて、歓迎会と称した餅つきをしようではありませんか!
ミーちゃん、餅つきですよ~。
「み~」
餡子頂戴ね。
「みぃ……」
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