未来に君は何を見る?
畳の匂い。これだけで一日は眠れる気がする。
「あー起きた。おにーさん大丈夫? 人間?」
アゼミくんがいた。
半身を起こすと激痛が走る。背中と両腕と…あと、左足。
呆れたため息が聞こえる。
「馬鹿だ。全く……どうしてそんなに怪我できるんだ?」
「恋は盲目だから。というか、なんでいるの?」
「シューに頼まれた。今シチュー作ってる……らしいよ」
異臭しかしないが?
記憶を掘り返す。そういや、シューって料理できる…の、かぁ?
アゼミくんは顔をしかめる。まるで、ゴミ捨て場に死体が混ざってるのを見てしまったように。
「……材料は?」
「アイスが入ってた……こ、恋路を走ってるなら全部食べれますよね? ね?」
いやな予感しかしない。
まぁ、なにはともあれ。
日常は良いものである。
朝だかなんだか分からない太陽が窓に映っていた。
駄作。あるいは仮の絶望 宇曽井 誠 @lielife
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