出会い
四人はリーフデ・パッシーの待つ西側に着いた。しかし、そこに二人の姿はなかった。
ティーガーから降りて皆で探しているとどこからか声がした。
「みんな!こっちこっち!」
声の方を見ると、草むらの向こうでパッシーが手招きしていた。
「早く来て! 人が倒れてるの!」
「マジで?! どこでだ?」
「こっちよ。ついてきて。」
四人はパッシーと共に走ってその場所へ向かった。
日高達がそこに着くと、そこには一人の倒れてる人とその人の様子を見ているリーフデがいた。
「この人よ。 探している最中に草むらで音がするから見に行ってみたら倒れていたの。」
パッシーが説明する。
「ふむ、女性か。目立った傷はないし、獣に襲われたわけではないようじゃのう。」
「そうみたいだね。それにしてもこの服装、見たことがないね。 日高くん、もしかしてこの人君のいた世界の人かい?」
「ああ、間違いない。」
ジールの質問に日高は断言した。
そして倒れている女性のそばに立ち、
「だって俺の知り合いだからな。 なあ・・・お前起きてるだろ!」
思いっきり蹴っ飛ばした。
「痛ったぁ!」
女性は飛び起きる。
「なんだ、やっぱり元気そうだな葵?」
日高は笑いながらそう言う。
葵と呼ばれた女性は不満そうだ。
「むぅ。ひどいよみっちー。せっかく倒れたふりして近くの村まで運んでもらおうと思ったのに。」
「残念だったな。 この近くの村は諸事情で使えん。 まあそれは置いといて自己紹介しろよ。 他の皆は何がなんだか分かってないぞ。」
周りで呆然としている五人を見て日高は言う。
「ありゃ。本当だ。 じゃあ自己紹介するね。私は 下北しもきた 葵あおい。みっちーの同級生だよ。よろしくね! あ、あと助けてくれた二人はありがとう。助かったよ!」
瓦礫の山西側 ティーガー前。
全員が自己紹介を終えたのち、日高は下北に今何が起きているのかを説明した。
「というわけでだ、葵、歩兵の指揮をしてくれ。人が足りん。」
「ええっ! 私海軍専門なんだけど。」
「陸戦の知識は持ってるだろ。」
話をしたところ、下北も日高と同じく経験はないのに知識を持っているというのがあるらしい。
そして今は彼女に歩兵部隊の指揮官になってもらえるよう説得中である。
「第一今戦力どれくらいあるの? 敵は数百なんでしょ?」
「こっちの戦える人はお前いれて12人。戦車の乗員で6人いるから歩兵は6人だな。」
「少なくない?!勝算はあるの?」
「ある。このティーガーとお前の協力があればな。」
下北はしばらく考えるようなそぶりをした。そして、
「そこまで言うならやってあげる。 やるからには全力でいくから!」
明るい顔でそう言った。
「助かる! 本当にありがとう!」
「いいのいいの。 実はこういうのやってみたかったから。」
下北の参加。 人数で見ればたった一人増えただけだが、戦力的には大きく増えたはずだ。
これでもう負けることはない。
日高はそう確信した。
The battle of parallel world 青緑 @aomidori666
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。The battle of parallel worldの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます