未来へと歩く


夕食を食べてから、ジェイソンとマーサが終わるのを待って。


夜だってのに男性陣は凄く騒いでいた。


そんな男性陣を諌めつつ、ラヴァースプリングスカントリークラブにあったバスケゴールに向かう。


あの時の約束通り、ワイルドキャッツの皆でバスケをしていた。


2on2で、ライアンも一緒に。


バスケをしているジェイソンは凄く楽しそうで、幸せそうで…見てる私も自然に笑顔になった。


しばらくバスケをしてから、また会う約束をして解散した。


私はジェイソンと一緒にバスケコートに居て。


「ね、ケルシー…覚えてる?」


バスケゴールにボールをシュートしたジェイソンが、不意に呟いた。


「覚えてる、って…何を?」


いきなり聞かれたのもあって、聞き返す私。


「こうやって…一緒にボールをシュートした事」


不意にジェイソンにボールを持たされ、後ろに回ってきたジェイソンはその上から指の間に指を入れ、私の手に手を重ねた。


二年生だったあの時…私が貴方に惹かれ始めるきっかけだった、あのシュート。


その時のことが鮮明に思い出されて、私はその時みたいに凄くドキドキしてしまっていた。


「…ケルシー」


「君がジュリアード音楽院を卒業して、プロになって…余裕が出来たらで良いんだけど…」


「…僕と、結婚して欲しい」


まさかの告白に、私は顔が真っ赤になるやら恥ずかしいやらドキドキするやら、嬉しいやら幸せやらである意味大変なことになっていた。


少し落ち着いて、ジェイソンに寄りかかる。


「もちろんよ、ジェイソン…」


「でも、私からも聞かせて欲しいの…こんな私と、結婚してくれる?」


ジェイソンは驚いて、一瞬で顔が真っ赤になっていた。


「もちろんだよ、ケルシー…僕は、君を幸せにするよ!」


「私も、精一杯…貴方を幸せにするわ!」


言葉と同時に、あの時のように2人でシュートした。


シュートはあの時と同じように、綺麗にゴールに吸い込まれた。


私達は手を繋いで、笑いながら帰路についた。


家まで送ってもらい、別れ際にジェイソンのほっぺにキスをした。


ジェイソンは恥ずかしそうにはにかみながら、私を抱きしめて…同じようにほっぺにキスをしてくれた。


そして、寝た後は…また、大変な学生生活に戻って行く。



あの日以来、ジェイソンは名物ウェイターとして大人気になった。


BURNS HERO(火傷の英雄)なんて呼ばれたりしてる、ってマーサが言っていた。


ジェイソンが大人気過ぎて、ラヴァースプリングスカントリークラブは超忙しい状態なんだとか。


ジェイソンは電話で、忙しいけど…凄く楽しいよ!って毎日のように話してて。


私はピアノの大会でまさかの金賞を貰い、更にピアノに磨きをかけるべく毎日練習している。


金賞を貰った日、ジェイソンは自分のことみたいに喜んでくれて。


お互いに良いことが起き始めた。


この先の未来は、もっと沢山良いことが起きて…きっと素晴らしいものになる。


私は心からそう感じながら、忙しい毎日を楽しく過ごしている。


もちろん、ジェイソンに会える日には会ってデートしてるから楽しいのよ?

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卒業後の2人 こびと @hsmlove

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