竜騎兵紹介  ※4/12更新


竜騎兵ドラグーンとは

 

 かつて地上に存在した、竜と呼ばれる巨大生物がその姿を変えたもの。

 はるか古代、神々の戦いによって大地が滅びに瀕した際、竜は神ではなく人に味方し、その際に人に適応した現在の姿に化身したと言われている。


 竜騎兵は固有の息吹ブレスを持ち、それによって様々な現象を引き起こす。また、それぞれの竜には得意とする領域が存在し、その領域での戦闘では通常よりも優れた力を発揮することが出来る。


 その出自ゆえ、竜騎兵は未だに明確な自意識を持っており、操る者との相性や、気性の荒さなど、乗りこなすには様々な要素が絡み合う。


 その希少性に応じて「混血種」「純血種」「古代種エンシェント」の三種の竜が存在し、純粋な竜と言えるのは純血種から。古代種に至っては単騎で巨神とも渡り合えるとまで言われている。


 現在確認されている古代種エンシェントは五頭。

 属性はそれぞれ、太陽・月・天・海・地である。




▲ソラス王国

●フレス・ティーナ


 ソラス王国の守り竜としてその名を轟かす、純血種の炎竜。

 真紅の機体に黄金の縁取りが施され、全身は焔の意匠で纏められている。

 胸部に竜の顎を思わせるパーツが取り付けられており、その奥ではフレス・ティーナの鼓動に呼応するように炎が明滅している。


 武器は炎を纏った長剣。そして炎に変化するマントを身につけている。

 その名の通り炎を操る息吹ブレスを持ち、灼熱の炎による攻撃だけでなく、その全身を炎へと化身させ、物理攻撃を無効化することすらできる。

 

 性別は雌。騎士として未熟なミァンを姉のような立場で優しく見守っている。




●ラティ


 ソラス王国竜騎兵部隊に所属する竜。初陣で数騎を撃破した後に中破。その後は誰の騎乗も受け付けずにグラン・ソラスの整備場で眠っていた。


 何の属性も持たず、当初は混血種だと思われていたが、陸人との戦いによって覚醒し、真の姿を現す。その正体は白龍の純血種。光の息吹ブレスを操る幻の竜だった。


 純白に黄金の縁取りが施された機体に、背面に巨大な一対の翼機構を持ち、戦闘時はこの翼から光の粒子を放出し、音速を超える加速、触れた者の切断や破壊。外的衝撃からの障壁構築など、様々な用途に応用できる。


 武器は上下一対の双刃断剣ダブル・ソードブレイカー。右手には盾を持ち、相手の武器を破壊しつつ、機体ごと無力化する戦法を取る。


 

 性別は雌。得意地形は空。

 強大な力を持つものの、どこか未熟な印象を受ける幼竜である。




●シークリー


 アナムジア皇国で初めて確認された『変異種』の竜で、その属性は唯一無二の精神属性。当初、アナムジア皇国はこの特殊な竜騎兵ドラグーンをなんとか飼い慣らそうとしたが、シークリーはそれらの試み全てを拒絶。自らを駆るに相応しい主が現れるのを待っていた。


 浅緑の甲冑に特異な形状の宝石がはめ込まれ、頭部には特徴的な四つの瞳が存在する。翼や外套のような意匠は持たず、堅実かつ、スマートな外見が目を引く竜騎兵ドラグーンである。


 武器は豪奢な装飾が施された身の丈ほどもある長弓。接近戦にも対応すべく、その両端には刃が備えられている。


 得意地形は大地で、息吹ブレスの類いは持たないが、搭乗者の集中力、感応力を一時的に高めるコンセントレイションという能力を持ち、シークリーに搭乗した騎士は千里先までも見通すことが出来るという。 

 

 また、搭乗者への精神汚染を完璧に防ぎきる障壁も持ち、その一風変わった性能は、ある特定の竜への決定的なカウンターになると言われている。




●ブリング

 

 ソラス王国騎士団長。水連の騎士、ロンド・アフレックの乗騎で、水流を操る息吹ブレスを持つ。地上戦はもとより、空中でも戦闘可能ではあるが、その本分は水中戦で、ある程度の水が存在する領域であれば、まさしく鬼神のごとき力を発揮する。


 蒼い甲冑には魚類のひれのような意匠が施され、特に背面には特徴的な四枚の尾びれが備わっている。これは空戦機動をサポートするものではなく、水中機動用である。


 武器はスクリューのような捻りのついた一対の短剣。ブリングは水中のみならず、地上戦においても、この短剣に水を纏わせ、相手の攻撃をいなし、弾きながら流麗な戦闘機動を展開する。


 性別は雄。ロンドとは良き相棒といった関係である。




▲エルカハル神聖帝国

●ファラエル


 風雨の騎士カリヴァン・レヴが駆る紫色の竜騎兵。カリヴァンの代名詞通り、寒気と大気流を操る息吹ブレスを持ち、ラティ同様、周辺領域そのものを自身に有利なフィールドへと制圧する戦法を取ることが出来る。

 その神髄は空中戦にあり、大気を操ることでまさしく重力も空気抵抗も感じさせない縦横無尽な空戦機動で敵対者を追い詰める。


 紫色の甲冑に黄金の縁取りが施され、鷹を模した頭部に、背面には六条の直線的な翼を持つ。


 武器は両肩に収納された両刃槍ランサー。柄の部分で一対の双両刃槍ダブル・ランサーにすることも可能で、ラティとの決戦ではこの形態で戦った。


 性別は雄。気高く、気難しい気性の持ち主だが、カリヴァンのことは主として認めている。



●ミーティア


 双月の騎士シエン・ミナイの駆る蒼色の竜騎兵。最強の竜と謳われる五頭の古竜エンシェントの一頭で、通常の巨神を上回る防御障壁を単騎で有する。

 月の光に由来する息吹ブレスを持ち、特に夜に放たれた際の威力は街一つ、巨神一体を一撃で消滅させるほど。しかもミナイは常にミーティアの力をセーブして戦っており、通常時に彼がとる戦法は、本来ミーティアが得意とする戦闘方法とはほど遠い。


 本来のミーティアの戦法は、月下で無数に残像を残して進む多重攻撃であり、この状態こそがその力を100%解放したと言える状態である。この状態ではミーティアの戦力はグラン級巨神数体分にも匹敵するとされ、月下にあっては他の古竜エンシェントですら太刀打ち出来ないと言われている。


 その全身は蒼色を基調とした甲冑に純銀の縁取りが施され、まるで神仏のような流麗かつ細身のフォルムに、背面には双月を模した二つの光輪を背負う。戦闘時はこの二つの光輪が自律的に攻撃と防御を同時に行う。

 並大抵の竜騎兵ではミーティアの障壁を打ち破ることすらできないため、まずもってミーティアとまともに立ち会えるのは円卓――それも、円卓十席以上の騎士のみであるとも言われている。


 本編ではリクトがその内に秘めた光の力を解放したにも関わらず、その力を上乗せされたラティを完全に圧倒・完封して勝利している。後の巨神戦で敗れたものの、ミーティア自体は無傷であり、再戦の時が待たれる。


 性別は雌。全てを達観したかのような冷徹な思想を持つらしく、ミナイの残虐非道な行いにも「これも人の業」として許容している。







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