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2024年5月6日 21:14 編集済
ケセオデールと義妹さんのやりとりにドキドキしています。ケセオデールの「相手にことかいて見境がなくなるなんて、獣とおなじね」は、ケセオデールは自分自身のことを言っているんだろうなぁと思いました。ケセオデールの「おなじようななぐさめならおたがいでできるでしょうに……」のところ、義妹さんの「かき寄せてようやく乳房といわれる代物になるのじゃなくて? それにこの顔」のところ、ドキドキします!ケセオデールは本来は男性だけど、外見は中性的な女性で。義妹さんはその事情を知らない女性で。拝読してとてもドキドキしていると段々、どうして私はこんなにもドキドキしてしまうの? という気持ちも強まっていきます。ですので個人的にそういう感情が強くなっている気持ちも含め、状態は違えどもケセオデールのことを他人事だと思えず、ひきこまれています。読んでいる人にそういう思いを浮かび上がらせて、まるで自覚させていくような、藍上先生の強い筆力を感じながら読みすすめています。義妹さんの「あなたは女臭くないのよ。 ~」の言葉が印象的です。ダイレクトだと感じ、ハッとしました。ケセオデールの、>だれかが笑っていた。男の声で低く押し殺し、強い酒でのどがかすれ、その口から突いてでてくる。とめることができなかった。のところ、ケセオデールの壊れそうな気持ちを感じました。>どうしたらいいのだろう。 ~ いったい、自分はなにものなのだ?のところ、もう抑えきれず我慢できなくなってるのではないかと感じました。>娘はこびを含んだ笑みを浮かべて、じっと王女を見下ろしていた。のところの庭娘に、うわぁ嫌な感じだ…と思いました。>そのしぐさ、その目は、ケセオデールを完全に男と見立てていた。のところ、庭娘はケセオデールの事情を知らなくても、もう男として認識してるんだなと感じました。私は今庭娘に嫌悪しているけれど、どうし嫌悪してるんだろうと、読んでいると自然と考えてしまいます。庭娘が私と同性だから、私は庭娘のことを嫌だなと感じるのかなとか。 私はケセオデールに感情移入しているから、庭娘がケセオデールに女を露にして近づくのが嫌なのかなとか。でも私と庭娘は女性で同性だから、庭娘の欲を私が否定するのは変かもとか。いや同性だからこそ、私は本能的に今、庭娘に嫌悪してるのかなとか。自分の嫌な面を見てしまったような焦りを少し感じたり、なぜ私はこんな感想を抱いているんだろう? と自問自答をしながら読みすすめています。(感想が脱線するのですが、小説を読んでいてこういう感覚になるのは、普通にあることなのだろうか? と、「読書」ってどういう状態なんだろうとか、かふと思ったりも)>ケセオデールは歯を食いしばり、頭をもたげてくる衝動を押しとどめた。のところ、言葉を「あえぎながら吐きだした」ところに、ケセオデールのもう抑えきれず爆発しそうな衝動を感じました。必死に堪えて抑えながら、女の喋り方で庭娘を遠ざけようとするところにドキドキとしながら、読みすすめています。
作者からの返信
ありがとうございます!多分、庭娘、義妹がケセオデール自身ではなく、また愛しているわけでもなく、単純に自分の欲望や好奇心を満たす為にケセオデールに迫っているのだと分かってしまって、悩み苦しんでいる。ケセオデールは、この娘達にとって自分は単なる好奇の対象でしかない、欲望を満たす道具でしかない、というのを自覚しているからだと思います。あからさまに言えば、男のように女達の肉欲を満たしてくれる人間と見られるのに堪えられないのです。ケセオデール自身は木の枝は自分が男である証明にはならないと絶望しているのです。多分、ケセオデール自身も肉欲から庭娘を誘惑したのを理解しているから、余計に自己嫌悪に陥り、自分自身のアイデンティティが崩れそうになって絶望しているのだと思ってます。感情移入して読んでいただけてとても嬉しいです。
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ケセオデールと義妹さんのやりとりにドキドキしています。
ケセオデールの「相手にことかいて見境がなくなるなんて、獣とおなじね」は、ケセオデールは自分自身のことを言っているんだろうなぁと思いました。
ケセオデールの「おなじようななぐさめならおたがいでできるでしょうに……」のところ、義妹さんの「かき寄せてようやく乳房といわれる代物になるのじゃなくて? それにこの顔」のところ、ドキドキします!
ケセオデールは本来は男性だけど、外見は中性的な女性で。義妹さんはその事情を知らない女性で。拝読してとてもドキドキしていると段々、どうして私はこんなにもドキドキしてしまうの? という気持ちも強まっていきます。
ですので個人的にそういう感情が強くなっている気持ちも含め、状態は違えどもケセオデールのことを他人事だと思えず、ひきこまれています。読んでいる人にそういう思いを浮かび上がらせて、まるで自覚させていくような、藍上先生の強い筆力を感じながら読みすすめています。
義妹さんの「あなたは女臭くないのよ。 ~」の言葉が印象的です。ダイレクトだと感じ、ハッとしました。
ケセオデールの、
>だれかが笑っていた。男の声で低く押し殺し、強い酒でのどがかすれ、その口から突いてでてくる。とめることができなかった。
のところ、ケセオデールの壊れそうな気持ちを感じました。
>どうしたらいいのだろう。 ~ いったい、自分はなにものなのだ?
のところ、もう抑えきれず我慢できなくなってるのではないかと感じました。
>娘はこびを含んだ笑みを浮かべて、じっと王女を見下ろしていた。
のところの庭娘に、うわぁ嫌な感じだ…と思いました。
>そのしぐさ、その目は、ケセオデールを完全に男と見立てていた。
のところ、庭娘はケセオデールの事情を知らなくても、もう男として認識してるんだなと感じました。
私は今庭娘に嫌悪しているけれど、どうし嫌悪してるんだろうと、読んでいると自然と考えてしまいます。
庭娘が私と同性だから、私は庭娘のことを嫌だなと感じるのかなとか。
私はケセオデールに感情移入しているから、庭娘がケセオデールに女を露にして近づくのが嫌なのかなとか。
でも私と庭娘は女性で同性だから、庭娘の欲を私が否定するのは変かもとか。
いや同性だからこそ、私は本能的に今、庭娘に嫌悪してるのかなとか。
自分の嫌な面を見てしまったような焦りを少し感じたり、なぜ私はこんな感想を抱いているんだろう? と自問自答をしながら読みすすめています。(感想が脱線するのですが、小説を読んでいてこういう感覚になるのは、普通にあることなのだろうか? と、「読書」ってどういう状態なんだろうとか、かふと思ったりも)
>ケセオデールは歯を食いしばり、頭をもたげてくる衝動を押しとどめた。
のところ、言葉を「あえぎながら吐きだした」ところに、ケセオデールのもう抑えきれず爆発しそうな衝動を感じました。
必死に堪えて抑えながら、女の喋り方で庭娘を遠ざけようとするところにドキドキとしながら、読みすすめています。
作者からの返信
ありがとうございます!
多分、庭娘、義妹がケセオデール自身ではなく、また愛しているわけでもなく、単純に自分の欲望や好奇心を満たす為にケセオデールに迫っているのだと分かってしまって、悩み苦しんでいる。
ケセオデールは、この娘達にとって自分は単なる好奇の対象でしかない、欲望を満たす道具でしかない、というのを自覚しているからだと思います。
あからさまに言えば、男のように女達の肉欲を満たしてくれる人間と見られるのに堪えられないのです。
ケセオデール自身は木の枝は自分が男である証明にはならないと絶望しているのです。
多分、ケセオデール自身も肉欲から庭娘を誘惑したのを理解しているから、余計に自己嫌悪に陥り、自分自身のアイデンティティが崩れそうになって絶望しているのだと思ってます。
感情移入して読んでいただけてとても嬉しいです。