第3話 用務員到着する
<大志視点>
ミストという女神がついてくるということを強引に承諾させられた後、俺達は気が付いたら豪華なシャンデリアや絵画などが飾られている場所で立っていた。…このくらいなら気持ち悪いだけで我慢できるな。…オエッ
「おお!勇者が我が国にも召喚されたようだな。…今回召喚されたのは5人か、他の国はどうなっているのだろうか。」
たぶん、この目の前で腹を思いっきり揺らして考え込んでいるスゴク悪い顔をしている奴が俺達を召喚しやがった国の王だろうな。
というか、考え込みすぎてて話しかけても気づいてないので、5人で話し合うことにしようと思い後ろを向いてみたら、金髪が1人黒髪が3人いた。
あれ?無理矢理ついてきた女神は銀髪だったような…
(ああ、この黒髪は銀髪だと目立ってしまうので、魔法で貴方たちと同じ黒髪にしたんですよ。似合ってますか?って後ずさりしないでください!!)
(心を読んできて、なおかつ頭の中に声を響かせないでください…)
(凄い、直接脳内に…)
(あの、私は貴方たちの世界で言う空気の女神なので脳内ではなく、私が喋ったごく小さい小声を操って貴方たちの耳に届かせただけなんですけど。)
ミストや英俊君と変なことをしている間に、ケビンが前に出て発言しようとしていたので、そのまま任せるとしようか。
「すみません、
ん?ケビンは日本語の発音がちょっと独特だったはずだけど、今ケビンが喋った発音は、きれいな発音になっているぞ?
疑問に思い原因であるミストを見たら、自分がやりました!とばかりに褒めてオーラを出していた。…俺は絶対に褒めない、その表情がすごい可愛いけど、ファンタジーの存在であるから絶対に褒めないぞ!!!
そう決意していたら、心を読んだのか可愛いと褒められてうれしいけど、絶対に褒めないと言われてがっかりしていて、凄く微妙な表情をしていた。
「ああ、君はケビンというのか、私が君たちを召喚したこのポルコ国の王ヴァルケン・シュヴァインという者だ。…私の自己紹介は終えたので、他の勇者の名前を教えてくれないか?」
と、彼が言っていたので、自己紹介をし始めた。
「はい!僕は、石田裕也です!まだ未熟者ですが、一から頑張っていきたいと思います!あ、それと僕の姓は石田で、名は裕也です。」
「あー、俺は姓は田中名は英俊だ、戦いとかは期待しないでください。皆の盾になるぐらいにしかなれないので。」
「俺は、姓は佐藤名前は大志です。えーっと、あまり活躍できなさそうなので、後方支援でもいいですよ。」
「えっとえっと、わ、私の名前は、き、
この女神、さらっと偽名使ったな。まあ、女神だし名前を出したらパニックになる可能性もあるから当然だな。
「ふむ、ユウヤとヒデトシ、タイシにソラか。よし、ここに来たばかりで、混乱しているだろうから、今日は休むとよい。高級な部屋を用意してある。おい、メイド長よ、勇者たちを部屋に案内しろ。」
そういって王は、後ろに控えていた妙齢の女性に命令をしていた。
「分かりました王様。では勇者様方、私はこの城のメイド長を務めております、バアルといいます。まあ、気軽にババアでもバアさんとでも呼んでください。」
「「「「「え!?」」」」」
「おほほほほ、冗談ではないですよ?実際に皆にそういわれているので、慣れているのですよ。では、雑談もさておき、部屋に案内しましょう。こちらです。」
こうして、俺達の異世界住人の初遭遇は終わったのであった。
…帰りたい…
ファンタジー恐怖症用務員 異世界で泣く 安志 @antai
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