第2話 女神苦悩する
<ミスト視点>
私は、今日召喚される人達に≪チート≫と呼ばれる特別な力を授けろと主神から重大な役目を命じられ緊張していました。
その緊張のせいなのか、友人に衣装を魔法でビキニアーマーに変えられていたのに気づかず、すごく恥ずかしい思いをしました。
この時、私は何故か回復魔法をかけたにも拘らず症状が悪化していく人にスゴク焦っていました。思えばこの時にステータスを見ていれば、倒れている人の顔が青を通り越して紫色にならなかったかもしれません。
「な・・何でですか?アンデッドでもないのに回復魔法で悪化していく人は初めてですよ!?」
「タイシの
「そこの人だいじょ・・・誰かー医者呼んでー!!」
「とりあえず安静にさせておけば大丈夫だとは思いますので、先に要件を言ったほうがいいのではないですか?」
「ワタシには、そのマジックで
「それならばいいのですが、大丈夫ですか?その人本当に大丈夫ですか?」
「大事なことなので二回言いました・・って言っている場合じゃねぇ!!」
そのようなことを言っているので、私は先に他の人達に力を渡すことにしました。この作業は、一人一人どのような力が欲しいか聞いていかなければならないので、結構時間がかかってしまいます。
さまざまな野望や信念を持った人たちがいるので、笑いかけたり、なでたりしただけで異性を惚れさせる力を望む人がいたり、最強の魔剣を望む人など、目的がみえみえな人が多くて心配でしたが、生徒会長の『
数時間かけて作業を終わらせた後、倒れている人たちの元へ戻ると何故か、倒れていた人がこの空間の壁の端まで、「うわああああああああああ!!」と叫びながら走っていくのが見えました。
「用務員さんどこへ行くんですか?戻ってきてください!!」
「とりあえず、ミストさんは
「あの人、女神恐怖症とかなの?」
「知りません」らない」らん!」
本当になんで逃げているのか分からないのですが、私って怖がらせることとか何もしてないですよ?
その後、何とか倒れていた人を3人がなだめている間に、残っている4人の簡易ステータスを見ることにしました。
ステータス
好きな物・事 動物・料理・規則・ぬいぐるみ
嫌いな物・事 規則を守らぬ者
趣味 食べ歩き・ぬいぐるみ集め
ケビン・フランク(30歳)
好きな物・事 日本の文化、製品
嫌いな物・事 文化を壊す人・韓国起源説
趣味 日本の美術品巡り
好きな物・事 美味しい料理・アニメ・ゲーム
嫌いな物・事 いじめ・暴力・太っていることを罵られること
趣味 食べ歩き・ゲーム・アニメ鑑賞
(石田さんはなかなか可愛い趣味を持っているようですね、ケビンさんは・・・この韓国起源説というのはどのようなものでしょうか?韓国というのは国だということは分かりますが。田中さんは・・・いじめられていたようですね・・しかし、こういう人は強い力で復讐しようという人が多いと聞きますが、彼からはそのようなことを考えているとは思えません。さて、問題の彼ですが…)
私が、彼のステータスを見た時、なぜ彼があんな状態だったのか、一目でわかりました。
ステータス
好きな物・事 掃除・料理
嫌いな物・事 非現実的な物・散らかされること
趣味 食べ歩き・蔵の掃除
超嫌いな物 ファンタジー
(どういうことですか!?なぜ簡易ステータスに新しい項目があるんですか!)
しかし、こういうことなら先ほど逃げられたのは納得したので、どうにか話をできるように出来るだけ神性を消して、彼らに近づくことにしました。
「え~オホン、貴方たちは、どのようなちか「力とかどうでもいいから早く元の世界に戻りたいです!!!!!」・・・すいませんが、私にはそういう力もありませんし、元の世界に戻すための魔法を使える神も、おおよそ1000年前に愚かな願いを持つ者に封印されてしまったそうなので、すみません。」
どうしましょうか、この話をしたとたん大志さんはスゴク絶望した顔になってしまいました。
「ダ・・・ダイジョウブだよ!ワタシタチもついているから!」
「元気出してください!向こうに言ったら、おいしい料理でも探して、一緒に食べましょう!」
「いや、委員長あっちの料理が日本人の味覚に合うかどうかまだわからないから。」
「それなら、大丈夫だとは思いますけど、本題に入ってもよろしいですか?」
「「「どうぞ(ドウゾ)」」」
そして、やっと彼らにこの世界の状況や様々な国に召喚されたこと、彼らに特別な力を授けることなどをを伝えることができました。
「では僕は、元の世界の食料などを買えるようにしてほしいです。」
裕也さんに力などを貰わなくてだいじょうぶですか?と私が聞くと、
「力を貰って強くなるということは、そちらの世界の努力している実力者にとっての侮辱になるので、嫌です。」
と、即座に言われてしまいました。
「ワタシは、
私はこの時、ケビンさんは日本の刀や銃などで、無双をするのかと思いましたが、授けた後、ケビンさんはおもむろに刀を取り出して
「これが、
「あの、銃とか取り出さないんですか?刀を見てるだけでいいんですか、使わないんですか?」
「
この人、戦いに能力を使う気がしないのですが、大丈夫ですか?戦える人はいますか?せめて英俊さんだけでも戦える技能がほしいですが。
「じゃあ、俺をどんな攻撃や精神攻撃も耐えれるように無敵にしてください!」
え?耐えるだけですか?攻撃とかはしないんですか?
「暴力とか、傷つけることは絶対にしたくないんです。それに、俺は戦争とかそういうのが関係ないところで、旨いものを食べて暮らしていきたいんです。」
あれ?これ全員戦う気ない?期待しませんが、大志さんにも聞きましょう。
「元の世「無理です」・・ファンタジーな展開に遭遇しな「無理です」・・・俺の家でくつろげるならいいです・・・」
「それならば、先ほどの裕也さんの願いと同じように叶えれそうですね、分かりました。」
しかし、このまま彼らを送り出してしまえば、戦う人がいなくて、全滅する可能性があるので、ついていきたいんですが、どうしましょうか…
(ミストよ聞こえるか…)
主神さま!?どうかしたのですか?
(彼らについていきなさい、私でも彼らのことは心配になってきました。)
この言葉を聞き、私は彼らのサポートをするべくついていくことを決意しました。
「皆さま、準備が整ったようですのでこちらの世界に招くことになります。しかし、貴方たちには戦う人がいないので、私がついていく事にします。」
「ついてこなく「黙っててください」…で「黙って」…ハイ」
そして、私は彼らについていくことになりました。この先何もなければいいのですが、彼らのことなので無理だと結論を付けたのでした。
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