711なコンビニでコピー本を作った話
朝霧
コピー本を作った備忘録
少し前に711の印刷機でコピー本が作れる、という事が話題になったのを知っている方もいるだろう。
簡単に作れる、という事だが、本当に簡単かと言われると、工程を分かってしまえば割と簡単だったが、そこまでちゃんと調べるのに少々手間がかかった、と言うのが素直な感想だ。
あと、データを作る時に地味な作業が続く。
私が印刷したものは、A5の二段組み、表紙込みで計54ページの物だったが、今回はその備忘録も兼ねて制作方法をここに記載していく。
コピー本を作る為にはデータが必要である。。
これは単純に本にしたい小説のデータを用意すればいい。
もしなろうに投稿している物をコピー本にしたい場合はそのデータをwordに張り付けるだけでいい。
が、その際に色々と設定しなければならないので、まずはその設定の仕方を説明する。
まずwordの書式設定を行う、中身を張り付けるのは書式を整えた後にする事をお勧めする。
初めにフォントのサイズの変更を行う、wordを開いた際、上の方にいろんなものが並んでいると思うが、そのうちの『ホーム』と言うタグが選択されている事を確認する。
その中に『フォント』という欄があるので、その中の数字が入っているボックスをクリックすると、文字の大きさを変える事が出来る。
これでサイズを9に設定した。
文字の大きさは好き好きなので自由に設定して構わない。
ちなみにボックスの横にある▼マークをクリックして設定して何の問題もない。
次に、『ホームの』二つ横にwordの画面の上に『ページレイアウト』というタグがあるのだが、それをクリックする。
その後に『ページ設定』という一覧が出てくるので、その右下にある小さい四角と矢印が合わさったようなマークをクリックする。
そうすると『ページ設定』というダイアログボックスが出てくる、このダイアログボックスの上部分に『文字数と行列』、『余白』、『用紙』、『その他』、とあるが、まず『用紙』をクリックする。
用紙サイズは初期設定でA4になっているので、それを変更する為、ボックスの▽の部分をクリックする。
この時にA5という選択肢がある場合は素直にそれを選択すればいい。
のだが、私が使っているword2010にはA5は選択肢として出てこないので、自分で設定する必要がある。
ので、選択肢の中の一番下の、『サイズの指定』を選択し、次に『幅』を148mm、高さを210mmに選択する。
次に『余白』をクリックすると、また色々出てくるのでその数値を変更する。
この時ダイアログ中央にある『印刷の形式』をクリックし、『見開きページ』に設定しておくと、後で確認作業が楽になる。
この余白の設定も好き好きなのだが、私の場合は、上を20mm、下を20mm、内側を16mm、外側を16mm、とじしろは0mmに設定した。
次に『文字数と行数』と書かれた部分をクリックする。
そうすると何か色々でてくるのでまず上から順に、『方向』は縦書きにする、そうするとプレビューを見ると分かる通り、用紙が横向きの設定に変わってしまう事があるので、そうなった場合は『余白』の『印刷の向き』を縦に設定し直す。
その下に『段数』がある為、これを2に設定する。
次に『文字数と行数の指定』で『文字数と行列を指定する』を選択。
文字数と行数は好き好きに設定していいが、私の場合は『文字数』を24、『行数』を22に設定した。
この辺りの数値に関しては人によって好みが変わるので、自分の好きなものを設定して構わない。
コピー本、作り方、とかで検索すると色々参考になるページが出てくるのでそちらを参考にしてもよい。
これで大体の設定を終えた。
のだが、今になって気付いたのだが『その他』の部分でヘッダーとフッターの位置の変更を行えるので、ページ数と本文が近すぎる、と言う場合はそこを変更すればよいと思う。
これで書式は大体整った。
次は中表紙を作る。
手元に何かの本があるのであればそれを見て欲しいのだが、本を開くと1ページ目に、タイトルと著者名、出版社などが描かれたページがある、今回作るのはそれだ。
表紙に関しては別刷りにする為、作成方法は後で記載する。
中表紙のの作り方は個人個人好きに作って構わない。
自分が好きな本を参考にしてもいいし、自分で適当に設定してもいい。
私の場合は『ホーム』タブと『ページレイアウト』タブの間にある『挿入』タブの『図』の『図形』を選択し、そのうちの『基本図形』の中の『テキストボックス』を使用しこの中表紙を製作した。
この『テキストボックス』は横書きと縦書きの物があるため、好きな方を使えばいい。
次に目次を作る。
この目次は出来れば2ページ目と3ページ目を見開きで作ると後々やりやすい。
目次も好きなように作っていいが、中表紙同様テキストボックスを使って作るのがやりやすいかもしれない。
もしここで3ページ目に何も文字を入れていないとしても、そこは空白のページとして残しておいた方が良い。
何故かと言うと、もし3ページ目から本文を始めてしまった場合、本を開いた際に本文が右側のページから開始される事になり、若干格好がつかないからだ。
なのでそういう体裁の方良い、と言う場合以外は、目次はこのように見開きで作った方が良い。
次にようやく本文に入るのだが、その前にやっておきたいことがある。
まず3ページ目のどこかの行をクリックして選択する、この時に開業の関係で4ページ目以降が表示されている場合はそれをバックスペースなどで消しておいた方が無難だ。
次に『ページレイアウト』の『ページ設定』の中にある、『区切り』と言う物をクリックする。
そうして出てきたうちの『セクション区切り』の『次のページから開始』をクリックする。
そうすると4ページ目が表示されるので、エンターキーで改行をして5ページ目まで表示させておく。
これで前準備は完了したので、次からはページ数の設定に入る。
いくつかの本を確認してもらえれば多分見つかると思うのだが、ページ数の体裁で、右(偶数)ページの右上にページ数が、左(奇数)ページにページ数とサブタイトル(章の名前)が振られているものがある。
私が何冊か確認したところ、この体裁はライトノベルや文庫本に多く使われているようである。
ここからはそれと同様の設定でページ数を振っていく。
まず、4ページ目の余白部分をダブルクリックする。
そうすると『ホーム』タブと同じ位置にある『Acrobat』の右横に『デザイン』というタブが新たに表示される。
この『デザイン』の中にある『ナビゲーション』という所に注目すると、『前と同じヘッダー/フッダー』という文字列が黄色くなっていて選択されている事が分かる。
なので、それをクリックして、未選択の状態に変える。
次に、『デザイン』の『オプション』にある『奇数/偶数ページ別指定』の欄にチェックを入れる。
その次に『デザイン』の『ヘッダーとフッター』の中にある『ページ番号』をクリックし、『ページ上部』の『番号のみ3』をクリックする。
そうするとページの右上にページ番号が振られているので、その数字の大きさを『7』に設定し直す。
この時、7と入力すると何故か自動的に72にされてしまう時があるのだが、その時は焦らず冷静に2を消せば7サイズで設定する事が出来る。
その後『デザイン』タブの『ヘッダーとフッターを閉じる』をクリックすると元の画面に戻るので、一度前のページに戻って1~3ページ目にページ数が振られていない事を確認する。
ページ数は普通、本文から振る事になっているので、このような設定が必要になる。
次に、5ページ目を表示させ、ページ数が振られていない事を確認する。
そして4ページと同様に余白部分をクリックし『デザイン』タブを表示させ、『オプション』にある『奇数/偶数ページ別指定』の欄にチェックが入っている事と、『ナビゲーション』の『前と同じヘッダー/フッダー』が選択されていない状態であるかを確認する。
そして『デザイン』の『ヘッダーとフッター』の中にある『ページ番号』をクリックし、『ページ上部』の『番号のみ1』をクリックする。
そうすると左上にページ番号が振られるので、4ページと同様にサイズを7に設定し直す。
その後、ページ番号の右横にカーソルを合わせ、スペースを入れた後でサブタイトル(ここではサブタイトル1、とする)を入力する。
そして『ヘッダーとフッターを閉じる』をクリックして元の画面に戻し、ページ番号が振られている事を確認し、エンターキーで改行して6、7ページを表示させる。
この時、6ページの右上に『6』、7ページの左上に『7 サブタイトル1』と表示されれば成功である。
もしもこんなまどろっこしい方法はしたくない、と言う方はフッダー(ページの下)にページ番号を真ん中に表示されるように設定するのが一番簡単だ。
ただしその場合も目次以前のページ数が表示されないように設定しておく必要がある。
サブタイトルが変わった場合もこれと同様の作業をすればよいのだが、詳しい説明は後に回す。
次は本文にするのは入力である。
本文に関してはあらかじめ書いたものをコピーして貼り付けてもいいし、ここで執筆をしてもよい。
がコピーした物を張り付ける場合は『貼り付けオプション』で『テキストのみ保持を選択』しないと、せっかく整えたフォントの設定がおかしくなるので注意する事。
サブタイトルを入れる場合は、サブタイトルのフォントのサイズを本文よりも大きくして一行改行すると読みやすいが、ここに関しては個人の好きにしていい。
私の場合はサブタイトルのみフォントサイズを10.5に設定した。
一つの章を書き終わった後、注意する点が一つある。
それは次の新しい章を右(偶数)ページから始まるようにする事だ。
別にそうする必要はないと言ってしまえば無いのだが、やはり新しい章は見開きで開始された方が見栄えがいい。
この時次の章を偶数ページから始める、と覚えていれば別に何の苦労もないのだが、いちいち覚えておくのは面倒臭い、多分あってるけど何か不安だ、という場合は簡単に確認する方法がある。
まず『ホーム』タブの左横にある『ファイル』をクリックする。
そうすると画面が切り替わるのでその中の『印刷』をクリックする。
『印刷』をクリックしたが、別にここで印刷を行う事は無い、用があるのは印刷をクリックした後に出てくるプレビュー画面だ。
このプレビュー画面の右下にプラスボタンとマイナスボタンが付いた横棒がある、この横棒のマイナスボタンをクリックし、80%以下にするとプレビューが見開き1ページ分の物になる。
こちらで新しい章が見開きで開始される、と言う事を確認してもよい。
またこの印刷のプレビューは確認作業をするときに地味に便利なので覚えておいて損は無い。
これらの確認をした後、新しい章を足す作業を始める。
例えば第一章が見開き1ページ、つまり5ページで終わったとする。
この時最初にページ数を入力した時同様に5ページ以降のページをバックスペースで決しておく。
次に『ページレイアウト』の『ページ設定』の中にある、『区切り』と言う物をクリックする。
そうして出てきたうちの『セクション区切り』の『次のページから開始』をクリックする。
そうすると6ページ目が表示されるので、エンターキーで改行をして7ページ目まで表示させておく。
この後の作業は先程のページ数の振り方同じなのだが、一応流れを記載しておく。
まず、6ページ目の余白部分をダブルクリックする。
そうすると『ホーム』タブと同じ位置にある『Acrobat』の右横に『デザイン』というタブが新たに表示される。
この『デザイン』の中にある『ナビゲーション』という所に注目すると、『前と同じヘッダー/フッダー』という文字列が黄色くなっていて選択されている事が分かる。
なので、それをクリックして、未選択の状態に変える。
次に、『デザイン』の『オプション』にある『奇数/偶数ページ別指定』の欄にチェックを入れる。
その次に『デザイン』の『ヘッダーとフッター』の中にある『ページ番号』をクリックし、『ページ上部』の『番号のみ3』をクリックする。
そうするとページの右上にページ番号が振られているので、その数字の大きさを『7』に設定し直す。
この時、7と入力すると何故か自動的に72にされてしまう時があるのだが、その時は2を消せば7サイズで設定する事が出来る。
その後『デザイン』タブの『ヘッダーとフッターを閉じる』をクリックすると元の画面に戻るので、一度前のページに戻って1~5ページのページ数に変化がない事を確認する。
次に、7ページ目を表示させ、ページ数が振られていない事を確認する。
そして6ページと同様に余白部分をクリックし『デザイン』タブを表示させ、『オプション』にある『奇数/偶数ページ別指定』の欄にチェックが入っている事と、『ナビゲーション』の『前と同じヘッダー/フッダー』が選択されていない状態であるかを確認する。
そして『デザイン』の『ヘッダーとフッター』の中にある『ページ番号』をクリックし、『ページ上部』の『番号のみ1』をクリックする。
そうすると左上にページ番号が振られるので、6ページと同様にサイズを7に設定し直す。
その後、ページ番号の右横にカーソルを合わせ、スペースを入れた後でサブタイトルを入力する。
そして『ヘッダーとフッターを閉じる』をクリックして元の画面に戻し、ページ番号が振られている事を確認し、エンターキーで改行して8、9ページを表示させる。
この時、6ページの右上に『6』、7ページの左上に『7 サブタイトル2』と表示されれば成功である。
こうする事で章が変わった時にページ数の横に新しい章のサブタイトルを表示させることが出来る。
まどろっこしいし、新しい章に入った後、その設定のままサブタイトルの部分だけ書きかえればいいじゃん、と思うだろうが、この手続きをしないでサブタイトルを変更すると、前のページのサブタイトルも書き換わってしまうので、こうせざるを得ない。
この作業が面倒臭い、と思った人は素直にサブタイトルをページ数の横に表記させない、という風にしていい。
今まで割と面倒な作業が続いてきてもう疲れた、と思う人もいるかもしれない。
実際、私もこの作業をした時に結構な時間がかかった。
だが、ここから先は、人によっては一番面倒な作業をしなければならない事になる。
本文が全て書き終わった後にする事、それはルビを振る事である。
人によっては一番面倒、と書いたのは、ルビを使用しない場合はこの作業をする必要が一切ないからである。
ただし、多くのルビを使いたい、と言う人にとってはかなりの作業量になる。
wordにルビを付ける機能がある事を知っている人は多いだろう。
だからそんなに面倒な事は無いじゃん、と思う人もいるだろうが、実際にwordでルビを振って見て欲しい。
おわかりだろうか、ルビを入れた行が微妙に寄って、変な間が出来る。
こうしないために面倒な作業をする必要がある。
最初に断っておくが、私はルビを入れる箇所が5か所ほどで比較的少なかった為、ろくに調べもせずに次の方法を取った。
もしかするともっと効率の良い方法があるかもしれないので、ルビが多すぎる人はまずその方法を自分で調べて欲しい。
もう一度言うが私はルビを振る箇所が少なかったためこの方法で妥協した、もしもルビを多く振りたい人が同じ方法を取って後になってもっと効率のいいルビの知り方を知ったとしても、それは自己責任でお願いしたい。
長々と言い訳を続けてきたが、私がルビを振る為に使ったのは、中表紙や目次でも使った『テキストボックス』である。
まず、縦書きのテキストボックスを作り、テキストボックスの上で右クリックをして『図形の書式設定』を選択。
ダイアログが表示されるので、初めに『塗りつぶし』の『塗りつぶしなし』を選択。
次に『線の色』をクリックし、『線なし』を選択し、ダイアログを閉じる。
そして文字を入力し、文字サイズを4に設定し直す。
そしてそのテキストボックスを、ルビを振りたい単語の横に上手い具合に配置する。
この時テキストボックスを選択したまま矢印キーで調整するとやりやすい。
これで行を寄せる事無くルビを振る事が出来る。
ルビの文字幅を変更したい場合はルビを選択したままで『ホーム』の『フォント』の右端の四角と矢印が組み合わさったようなマークをクリックし、詳細設定の文字間隔を変えればいい。
もしも大量にルビを振る場合は、もう一つ別のwordを開き、そこに『塗りつぶしなし』の『線なし』の、フォントサイズが4の物をコピーして貼り付けておき、ルビを振るごとにコピーした物を貼り付ければ、文字の入力とルビの位置合わせ、文字間隔の変更だけをすればよくなる。
また、特定の単語、例えば『魔法道具』と言う語には必ず『マジックアイテム』というルビを振る、と決めてあるのなら、その『マジックアイテム』のルビを別のwordにコピーして貼り付けて、その単語が出てくるごとにそれをコピーして貼り付ければ手間が省ける。
ちなみにお分かりだろうが、このテキストボックスは本文とは何の関係もないところに配置することになるので、ルビを振っている文字の位置が変わったとしても、ルビが自動的に移動する事は無い。
なのでこの作業をする前に本文の誤字脱字のチェックは行っておく事。
後々になって別のもっと簡単なルビの振り方を知ったので追記しておく。
まずホームタブの段落の右端の四角と矢印が組み合わさったようなマークをクリックし、インデントと行間隔の間隔の行間を固定値に設定しておく。
この後ルビを振りたい文字を選択し普通にルビを振る。
こうすると行間がずれずにルビを振ることができる。
ただこの時に行間の設定によってはルビの文字が見切れる時がある。
その時はルビを振っている文字列を選択しつつ、FnキーとShiftキーとF9キーを同時押しする。
そうすると選択していた文字列がよくわからない感じの文字列に変化する。
この文字列の事をフィールドコードというらしい。
たぶんこんな感じの文字列に変化すると思う。
[EQ¥*jc2\*"Font:使っているフォントの種類"¥*hp8指定している文字の大きさ¥o¥ad(¥s¥up 行間(ルビ)ルビを付けた文字列)}
こんな感じの文字列になっているはずなので、上の文の行間、つまりupの後にある数字を変えればよい。
たぶん初期設定だと7あたりになっているので、5くらいにするとちょうどいい感じにルビが振られるようになる。
この方法だとテキストボックスでやるよりもルビを付けた後でもルビとルビを振った文字列がずれる事はないので楽にルビを振ることができる。
ただし本当に細かい微調整がしたい場合はテキストボックスのほうが若干優秀であったりもする。
私は行間を5で設定してみたが、文字によっては若干ルビを振っている文字列にかぶってしまうことがあった。
だからと言って行間を広くすればルビが見切れてしまう。
基本的に振るルビがカタカナであるのなら大丈夫そうだが、複雑な漢字を振ろうとすると若干ルビを振っている文字列にかぶってしまうことがあるようだ。
そういう場合はそれでいいとあきらめてしまうか、その漢字が含まれるものだけをテキストボックスで振るしかなさそうだ。
4.5などという細かい指定ができないものかと試してみたものの、どうもそれはできないようだ。
追記終わり
ルビ振りの作業が終わってようやく本文が完成したが、これで終わりではない。
次は奥付を作る。
奥付とは本の終わりの方にその本の書誌情報が記述されているページの事だ。
ここで作った物は個人の楽しみでしか使わない、という人は別に作る必要はないのだが、誰かに販売するとか、イベントで販売、または配布する、という場合はこの奥付を付ける事は必須条件であるらしいので、そのような方は必ず奥付を作った方がいい。
この奥付も、中表紙や目次同様、好きな体裁を取っていい。
私はテキストボックスを作って製作した。
ちなみにこの奥付にも基本的にページ数は振らない事になっているので、振らないように設定しておく事。
設定、というか次のページからセクションを変えればページ数は振られていない状態なのでそうすればいい。
奥付を作る前に、一つ確認すべきことがある。
それはページ数だ。
印刷の関係上、ページ数は4の倍数にしなければならない。
もしも奥付を入れてページ数が4の倍数にならない場合は本文を増やすなり減らすなりして調整するか、仕方がないとあきらめて余りを空白のページにするしかない。
これらを注意してページ数が合う事を確認して奥付を製作する。
奥付を作るページは本文の後であればどこでもいいので、一番終りのページに作ってもいいし、一ページ前に作ってもいい。
奥付に書く事は大体決まっており。
本のタイトル、、発行日、発行者(作者名、ペンネームでもいい)、印刷所(コンビニの場合はコンビニ名でいいらしい)、連絡先、である。
また『無断複製・転載、ネットオークションへの出品を禁止します』などの注意書きを添える事が多いようだ。
ちなみに私は完全に個人で楽しむものとしてつくったので、この奥付に関する事はろくに調べていない為、本当に必要な人は自分で調べて欲しい。
連絡先に関しては、自分の住所や電話番号、携帯のメールアドレスなどを入れる必要は無い。
と言うか、住所や電話番号、携帯のメールアドレスなどは防犯の都合上入れない方が良い。
ただしイベントや印刷所によってはそのような情報を入れなければいけない場合もあるらしいので、それはその都度確認を取った方がいい。
では連絡先としてどんなものを書けばいいのかと言うと、本人に連絡の取れるものであれば何でも良い。
例えばホームページを持っているのであればそのサイトのアドレスでもいいし、この『小説家になろう』のマイページやツイッターのアドレスでもいい。
また、フリーメールのアドレスでもよい。
個人的にはフリーメールのアドレスが一番いいと考えている。
特に親兄弟など周囲の人に創作活動を隠している人に関しては、周囲の人が知らない創作用のフリーメールのアカウントを新しく取り、それを使用した方がいい。
何故かと言うと、自サイトのアドレスや『小説になろう』のマイページ、ツイッターのアドレスなどを記載していると、万が一この本が見つかった後に芋づる方式で自分の創作活動を全て掘り起こされる可能性があるからである。
仮に見つかって、何処かのイベントで買ったとか友達のを貰ったとか誤魔化しても、記載しているアドレスによっては、特にツイッターやブログなどだと内容でばれる事が多い。
リアルの知り合いに創作活動を隠している人はそのような事も注意しておかないと後々になって後悔するかもしれない。
奥付が終わってようやく終了、最後に表紙を作って終わり、ではない。
今度は作り終わった物をPDFと言う物に変換する必要がある。
コンビニの印刷機でwordによってつくられたデータをそのまま印刷する事は出来ない為、このPDFに変換する必要があるのだ。
と言っても作業自体はとても簡単だ。
『ファイル』タブにある『Adobe PDFとして保存』、をクリックし、そのまま保存すればいい。
これによってPDFのファイルが出来上がったので、本文を確認しておかしなところがないかを見ていく。
もしも本文を見直してルビの位置が気に喰わないなどの不都合が出てきた場合は、このPDFファイルと見比べて調整し、新たにPDFとして保存し直せばいい。
ルビの時点で言い忘れていたのだが、テキストボックスを使用したルビは、位置をうまく調整したつもりでも実際に印刷してみると微妙に違う位置に印刷される事がある。
その為最終形態であるPDFで確認を取り、物によっては微調整を行う必要がある。
この微調整も終わり、他に不備が無ければ次は表紙の製作に取り掛かる。
この表紙は別にどのタイミングで作っても構わないが、ここでは最後にする。
まず、本文が入っているwordとは別のwordを開く。
そしてページ設定で横のA4になっている事を確認し、表紙を製作する。
手元に文庫本がある人は表紙を取って確認してもらいたいのだが、この時、表紙が自分達から見て『左側』、裏表紙が『右側』にある事が分かるだろう。
その事を注意し、wordの左半分を表紙として、右半分を裏表紙、として製作するようにする。
この表紙に関しては好きに作って構わない、イラストなどを使いたい場合は別の方法があるらしいが、絵心の無い私はそのままwordで適当に作ってしまった。
また印刷機の都合上、紙の端っこだけは印刷されずに白く残るので、表紙を作る時にはその事を踏まえておくとよい。
絵心はないけどちょっと凝ったデザインにしたい、と言う人にはフォントをいじってみる事をお勧めする。
『ホーム』の『フォント』の中の、フォントのサイズを変更するボックスの横にフォントのデザインを変えることのできるボックスがある。
その中から好きなデザインの文字を選択すればいい。
数が多いので色々見比べてみると面白い。
特に英語に関しては多くの書体が用意されており、個人的に『Scruff LET』や『FrankRuehl』『Jokerman』などは可愛くて個性的なのでいつか使ってみたいと思っている。
この表紙も完成したら本文同様PDFとして保存する。
これによって本文である『四の倍数のページ数』と表紙2ページ分のページが作られた事になる。
ここまで終わってようやく印刷である。
まず、先程保存したPDFのデータを別の記録メディア、例えばUSBメモリなどにコピーして、その記憶メディアを711なコンビニに持っていく。
そして印刷を始める。
こちらに関しては『711のコンビニの正式名称 コピー本』と検索すればやり方が簡単に出てくるし、必要料金も計算できるのだが、一応ここにもやり方を記載しておく。
まずは本文の印刷をする。
本文と表紙は同時に印刷できない(しようと思えばできるが、表紙をカラーにしたい場合は分けないと出来ない)。
印刷機のメニューの『普通紙プリント』を選択した後、メディアの種類の選択画面が出来るので、持ってきたメディアを選択すると、メディアを差し込む部分が出てくるので、そこにメディアを刺す。
そのあと『ふつうのプリント』を選択すると、メディアに入っているデータの一覧が表示されるので、本文のファイルをクリックする。
その後基本設定が出てくるので、『白黒』で、出来上がり用紙サイズをA4、小冊子を選択。
小冊子を選択すると、『しない』、『右とじ』、『左とじ』と選択肢が出てくるので『右とじ』を選択して決定する。
その後部数を設定して、お金を入れてプリントスタート。
これで印刷が出来る。
次に表紙を印刷する。
終了、ではなく続けて印刷、というようなボタンがあるのでそれを選択し、表紙のファイルを選択して印刷をする。
この時の設定は表紙をカラーコピーしたい場合は『カラー』、『A4』、を選択し、小冊子の設定が右とじのままになっている時は『しない』に設定し直して印刷をする。
これで表紙も印刷された。
あとは印刷を終了し、記録メディアや印刷した原稿、お釣りや財布など忘れ物が無い事をチェックして帰るだけだ。
印刷が終わった後は製本作業に移る。
と言ってもこちらも大した作業ではない。
が、中綴じは通常のホチキスでは出来ないので、中綴じ用のホチキスが必要である。
無い場合はホームセンターや百円ショップに行って『中綴じ』と書かれたホチキスを購入すればいい。
この時に綴じ数(綴じられる枚数)を確認しておくとよい。
中綴じにしたい本の紙の枚数が20枚以内であるのなら、百円ショップに売っている、10枚まで綴じられるものであっても綴じられるらしい。
私の場合は表仕込で54ページで、枚数が27枚だったが、ホームセンターで購入した15枚綴じのホチキスでもしっかりと止まってくれた。
ちなみにコピー本と言う物は基本的に40ページ以内の物が基本的であるらしい。
この中綴じをして、ようやくコピー本が完成する。
思いのほか長い道のりであった。
そして思いのほか文字数が掛かった、今の時点で1万文字超えている。
今回は初めてコピー本という物を作ったので手間がかかったが、慣れてしまえばそれほど苦にならない作業であると私は思う。
なんだかんだ言って楽しいし、実際に自分の書いた小説が紙の形で手元にあるのは、なんとなく嬉しいものである。
711なコンビニでコピー本を作った話 朝霧 @asagiri
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