2話 異世界ってすごいな。
この世界に転生して改めて思ったことがある。
あれ、ここ魔法みたいなのつかってね?
そう。この世界…まさか本当に異世界だったとは。
私が起きたときには母の腕から離れ、私サイズのベッドに寝かされていたが
目の前で前の世界でもありそうな子供をあやす用の玩具らしき物が宙に浮いて淡く光っている。
いや、少し説明不足だな。
正確に言うと宙に浮いているとはまんま上からヒモに繋がれているのではなく。
個体その物が空にふよふよと浮いて私の上を回転しているのだ。
あ、ここ…異世界か。
いや、うん。
こんな反応しか出来なかったのは本当に悪いと思っている。
だがこのとき私は本当にこう思ったのだ。
前の私ならもっと驚いた反応をするかもしれなかったが、
何故か心の中は不思議と穏やかで自然と受け入れられた。
最初の転生したということがこの異世界人生一の驚きだったのだろう。と、自分の中でそんな結論が下された。
それからしばらくして
母親であるカーラさんが来て、食事をくれたり、オモチャで遊んでくれたりと子供生活をエンジョイした。
子供扱いに抵抗を感じないのはきっと、
頭では転生前の私のままだが、身体や本能の部分では私はまだ子供だという証なのだろう。
お昼近くまで遊んでいたが、
時間に気づいたカーラさんが何やら慌てだした。
「やだ、もうこんな時間!
早く洗濯して干さなきゃ…あ!買い物!」
気づいたが早し
私をベットに寝かせたらすぐに家事に取り掛かりに行ってしまった。
先程までは遊んでいて魔法について考えていなかったが、
魔法があるということは私の中には魔力というものもあるのか?ふと疑問に思った。
私自身あまり魔法などそういう小説でしか書かれない空想の産物にはあまり興味なく、
そういう小説も友達から勧められたものを少し読んだくらいだった。
それゆえ今この状況。
魔法を知ったにしろこれからどうすればいいのか、この世界のことすら分かっていないのにあの小説の主人公はどうしていたのか。
くっ!もっとちゃんと読んでいれば良かった!
そんな後悔が積もる一方、ふと誰かの視線を感じ、隣を見ると
なんかちっこいのがいる。
おっと、また言葉足らずになってしまったがそのままの意味で捉えてもらって構わない。
見た目は小さい、とにかく小さく。
私の赤ちゃんの手のひらサイズ並に小さい人のようなものが、ベットの格子からただこちらをじっと見ている。
こっちを見ていた小人?が私と目が合ったのに気づいたのかビックリした顔をし、
私の目の前に飛んできた。
「お前、私が見えるの?」
、、、しゃべるのかー。
いやうすうす気づいてはいた。目の前に来た時点でなにかされると思ったが、
すごいな魔法。
おもちゃまでもしゃべれる世界なんだな。
でも第一声が、お前見えるのかってちょっと口が悪いな。「おい、聞いてるのか」いや、ほんとすごい。拍手しちゃう。
「おい!せめてなんか反応しろよ!」あ、ダメだ。いま赤ちゃんだから手届かないかも。いや、もしかしたらいけるかも。「やっぱ見えないのか?」お、これもう少しで手届くんじゃね。パチ!
いけた!赤ちゃんでも拍手出来るのか!いや新発見したな。
「おい、やっぱ見えてんだろ!」
はっ!いかんいかん、つい現実逃避してしまっていた。
赤ちゃん拍手なんて考えてる場合じゃないのについ、目の前の小人…いやよく見たら薄く羽が生えている。
これは、某夢の国シリーズで出てくる緑ハットの少年の相棒と似ているな。
確か、あのキャラは妖精だったよな。
この小人もしかしてあのキャラみたいに妖精的な?
よく観察するため妖精もどきをじっと見つめていると、
「な、なんだ?考え込んだと思ったら今度はじっとこっちを見て、て!やっぱり見えてるよな!」
妖精もどき狼狽えだしたな。
見えていると伝えるため今度はちゃんと頷いて反応してみると
「っ!反応した!
こうしちゃいられない、
早くみんなに伝えに行かなきゃ!」
そう言うとすぐ窓から外へ飛んでいってしまった。
他にもいるのか。
というか妖精かどうか分からなかったので仲間連れてこられると困るんだけどな。
そう思っているとひと仕事終えたカーラさんがこっちへ来て
「お待たせ!お腹すいたわよね?
いまごはんあげるわね」
カーラさんからご飯をもらいお腹いっぱいになると心地よい眠気が、
あ…そういえば、私いま赤ちゃんだから…言葉しゃべれなかったんだ…
あの妖精もどきが本当に妖精か…
言葉しゃべれないから…結局分からないままだったな…。
でも今はお昼寝…優先で………。
聞いてくれ転生した。 ラブアンドぴーす @Pi-SU
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