白の画廊

@Shoura_2219

第1話

人通りの多い道の『closed』と書かれた看板が下げられた扉の前で1人の少女が足を止め、おもむろにその扉を開く。

そこには白い空間があった。

少女はそれを見ないように奥にある扉を開く。

美しい水色の瞳を持った20代くらいの男性が少女を迎えた。

傍らでは、白髪の女性がカンパスに向かって暗い色彩の絵画を描いている。

少女は口を開いた。

男性は少女に「何故?」と問いながらクスクスと笑う。

少女はまたも口を開く。

ボロボロと涙を零して、懇願するように。

男性は少し困った様子を見せた。

しばらくすると、何かを思いついたかのように指を鳴らし、少女と目線が合うようにしゃがみこみ、不気味に笑いながら言った。


「貴方が彼女の変わりに、永遠に私の所有物となるならば、彼女を解放してあげますよ」


と。

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