最終話 その後の2人。


体育館へと続く廊下はほとんどが男子生徒だ。そしてほとんどの人が笑顔でいた。他の女子生徒は教室に待機して着替えをしている。残った人のみ体育館へと向かう。亜希子の後ろを歩く男子生徒2人の会話が耳に入ってきた。


「いやー、マジ俺、童貞捨られてよかったわ。校長に感謝だな…」


「マジでそれ。しかも俺ヤった女子と付き合う事になったんだよ〜!」


「はぁ?それマジかよ。いいなー。俺なんてビンタされたからな…」




この鬼ごっこでのおかげでカップルが多く誕生したのだった。亜希子と純也もその内の1人だ。






廊下を歩き、開かれている体育館の扉を通り過ぎる。男子生徒たちの話し声が体育館に響く。男子生徒が体育館奥側、残った女子生徒が入り口側に整列するように指示され、亜希子は体育館の奥へと行く。歩を探すが見つからない。やはり男子生徒に犯されてしまったのか、その不安が流れ込んできた。




亜希子の背中を誰かがつついている。亜希子はそれに気づき後ろを振り向く。後ろにある人がいた。亜希子はそれを見て微笑む。



「あ、あ、歩ちゃん…!逃げ切ったんだ…!」


「うん、なんとか逃げ切れたよ。亜希こそ逃げ切れてよかったじゃん」


亜希子の背中をつついていたのは歩だった。歩を見て亜希子は歩に抱きつき泣き出した。歩も抱きかえし亜希子の背中を優しくさすった。緊張が解け大泣きした亜希子。ハンカチを取り出し歩は亜希子の目から流れている涙を拭く。












思う存分亜希子は泣き、ようやく泣き終えた。それと同時に全ての男子生徒と残った女子生徒が集まった。それぞれに整列をして校長が来るのを待った。残ったのは亜希子と歩だけではなく数十名、その場にいた。詳しい人数は今はわからない。








開かれた体育館の扉を通り、体育館に入ってきた。ステージに上がり、一礼する。そして再び歩き体育館生徒と残った女子生徒の方を見た。



「諸君、鬼ごっこ本当にお疲れ様。そして逃げ切った女子生徒諸君、お疲れ様。残った人数は……18人だ。18人の女子生徒、壇上に上がってきなさい」校長がそう言った。残った18人は壇上に上がる。




「本当にお疲れ様、それから渡すものがある。ちょっと持ってきてくれ!」


ステージ隅にいた教師にそう言いその教師がステージ袖に消えた。そして何やら台車らしいものもを引いてきた。上には銀色のケース。何が入っているかはわからない。そしてそれを校長の前に持ってきた。




「始まる時に言った、1000万円だ。それぞれ用意してある」校長が台車に乗っている銀色のケースを亜希子に手渡す。それを受け取る。かなりの重さだった。校長は次々と銀色のケースを女子生徒に手渡していく。












全て渡し終え、女子生徒たちは再びステージ下に戻る。そして男子生徒と女子生徒は校長のありがたいようなありがたくないような話を聞いた。












校長の話が終わり、男子生徒と女子生徒は体育館を後にしそれぞれの教室へと向かって行った。亜希子は制服に着替えて帰りのHRで担任の話を聞いている。HRが終わり、放課になった。亜希子は急いで銀色のケースと体操着とジャージの入ったバッグを持ち昇降口へと向かう。外用の靴に履き替え、外へと出た。








「ごめん、HR終わったよ。純也くん」


「ん、やっと来た。行こっか」


外には純也が先に待っていた。


「うん!あ、これからどうする?」


「俺の家行くんじゃなかったっけ。確か」


「あ、そうだった。別に…今から何処かに旅行行ってもいいんだよ?1000万円あるんだし」


「旅行ねぇ…いつか行くか。その1000万円でな。使わずに残しておけよ?」


「うん、わかった。使わないようにするね」




2人は手を繋ぎ、話しながら学校の正門を通り過ぎる。亜希子は純也の家に着くまでずっとイチャイチャし続けていた。





その後、純也の家に着いた2人。亜希子はその日純也の家に泊まる事を親に伝えた。



たまたまその日純也の親は居なかった。


夜になり、朝まで行為し続けた。恐ろしいともに思える2人の性欲。



純也の家で亜希子は愛を育んだのだった。

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全校鬼ごっこ 大津 千代 @otttyo_00

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