第三章 蒼い月
登場人物&あらすじ
「静かに生きろ。私のようにはなるな」
夜須藩士の滝沢求馬は、汚名の果てに切腹した父の遺言を守り、閑職とも呼べる役目に励みながら、ただ静かに生きていた。しかし、時勢は幕朝対立の極みに達し、勤王の志に感化された求馬は、蒼い月が照らす夜に、同志・尚憲にこう言われる。
「私は幕府に叛き、乱を起こす。私と共に、戦わないか?」
<滝沢家>
滝沢求馬:夜須藩士。宇美津奉行所の郷方村廻り検見役を務める
滝沢作衛門:夜須藩士。求馬の父。痴情の縺れにより江戸家老を斬り切腹する
芳野:求馬の妻。百姓出身
<宇美津奉行所>
羽合掃部:宇美津奉行
辻村彦太:本藩から派遣された、郷方村廻り検見役の見習い
廉造:宇美津奉行所の密偵
<勤王派>
尚憲:勤王僧。元は住谷丹蔵と名乗る武士だった
山藤助二郎:尚憲の同志
橘民部:江戸の軍学者。幕府に対し叛乱を企てる
金橋忠兵衛:橘民部の懐刀と呼ばれる武士
<その他>
西谷義一郎:土鮫の一味の残党
徳衛門:木内村の大庄屋。芳野の父
江上弥刑部:江戸家老。滝沢作衛門に斬殺された
平山清記:密命を帯びて旅に出た夜須藩士
平山小弥太:平山清記の息子
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