第1話

「沙羅ちゃん!」

「律〜〜!同じクラスだよ!4組!」


私の唯一の幼馴染の小山沙羅。

もちろん、涼ちゃんのことも知っている。


「友達出来るといいなー…。」


私がそうボソッと嘆くと沙羅は決まってこういう。


「なに〜律には沙羅がいるじゃん!

しかもあんた可愛いしすぐできちゃう…。」


寂しそうな顔をする沙羅。

そんなの、沙羅だって。

むしろ沙羅はクラスの中でいつも輪の中心だった。

中学の時はバスケ部で都ベスト8まで登りつめた代のキャプテンだったし

明るくてちょっとうるさすぎるけど、自分をしっかり持っているし

おまけに背も高くて目鼻立ちがはっきりしていて色白。


沙羅は小さい時から近くにいたから今こうして仲がいいけれど

もし沙羅と途中から出会っていたらまるで世界が違う人だと思う。


そのくらい沙羅はキラキラしてる人間に見える。


「ほら、律なに突っ立ってんの点呼五分前には席つかないと浮く!」


沙羅に引かれて駆け出した。

初めての出会いがたくさん詰まっている大きな箱の中へと。

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MURDEROUS LOVE 菜花 @what_thehell

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