MURDEROUS LOVE

菜花

プロローグ

「涼くん!」

「律ちゃん、、、好き」


そう言われて目が覚めた。

、、、、、、、また夢か。


小学4年生の時、初めて告白をされた。

それも自分の意中の相手だった人に。


小学校の中で一目置かれていた青山涼太。

容姿端麗な上に偏差値70という頭脳明晰っぷり。


小学校の頃の私には偏差値なんかよくわからなかったけれど

涼くんが凄いことだけはなんとなく分かっていた。


見た目、能力の上に優しくスポーツもできて。

皆の理想の王子様で、私はそれを眺めるただの一般庶民Aだった。


小学4年生ながらも自分の位置は分かっていた。

ただ、家が近いから他の子達よりも一緒に遊んでもらっていた。


そのうちに一般庶民Aの私は王子様に身分違いの恋をしてしまったようだった。

だからまさか、涼くんに好きなんて言ってもらえるとは微塵も思わなかった。


嬉しいより先に吃驚が私を覆い結果として

その場から走って逃げ出してしまった。


涼くんがその日、最後の登校日だったとも知らずに。

涼くんは何処かへ越してしまった。

それが北なのか南なのか、遠くへ越したのかも覚えていない。


いい加減忘れないといけないのにいつまでも夢に出てきて。

でも今日から私は高校生。


高校では新しい恋をして忘れ去るんだ、と

胸に誓って家を出た。


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