第22話 落下
「きゃあああああああああああ!」
落ちてる落ちてる落ちてるー!
どんどん体が地面に向かって落ちてる。
でもこのままでいいかもしれない。
なりたくもない悪魔になってしまったのなら死んだほうがマシかもしれない。
変な力も持って他の悪魔に狙われてこんな事になってしまった。
また私を狙いにくる悪魔が来て人間に戻らないのならいっそこのまま死んだほうがいい。
「死んだらどうなるんだろ」
生まれ変われるのならまた普通の人間になってやり直したいなぁ……。
どんどん下に落ちているので下の方が見えてきた。
あれは道路と車。
それにこの道路見覚えがある。
五稜郭タワーのときわ通!
ってことは私は五稜郭タワーから落ちたって事?
まさか小さい頃から見ているタワーから落ちるなんて。
しかも今日は土曜日だから観光客で人が多い。
このまま落ちたら誰かを巻き込むかも。
「私が……」
いつの間にか思ったことを口に出していた。
「私一人が死ぬはいいけど、他の人は巻き込みたくない!」
バサッ
……止まった。
すぐ近くでバサッという音が聞こえると今まですごいスピードで落ちていたのに急に止まった。
時間が止まったのかと思ったけど下から車の音が聞こえるから違うみたい。
どうゆう事?
私はあちこち見渡した。
「……え?」
後ろを見ると黒い何かが見える。なんだろう?
思わず触ってみた。
スベスベした感じでまるで児童書のカバーと似ている。
でもこれなんだろう?
黒い物を触っていると私の背中を触った。
なんで背中を触る事になるの?
私はもう一度黒い何かを触ってみた。
……また背中を触った。
それにバサッていう音は一体何だったんだろう?
触っていてもわからないので後ろを見た。
「え!?」
今まで触っていた物はAIBUさんにも付いていた翼だった。
ま、ま、ま、まさか……。
翼が生えてる!?
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