第20話 逃げきろ!
私はとにかく学校から離れることに必死になって逃げた。
ズックは靴として元々売られている物なので外靴を履いている時と同じように走る事ができた。
家に行くのもいいけど学校から近いのですぐに見つかったり、お母さんに何て言えばいいのかわからないので家とは違う方向に走って行った。
「はぁ……はぁ……はぁ」
だんだん走るスピードが遅くなってきている。
足が重い。
普段はもっと軽いハズなのに。
息が苦しい。
息をするのってこんなに苦しい事だったけ?
激しい疲れと学校が見えなくなった安心感でとうとう足が止まってしまった。
もう歩く事すら辛く感じる。
このまま見つからずにいて欲しい。
でも相手は翼が生えた悪魔。
堕天使がお母さんを見つけたみたいに空を飛んで探したら見つかるかもしれない。
どうしよう……。
「そうだ!」
空からでも見つからない所に隠れればいいんだ。
それなら見つかりにくい。
私は辺りを見回して隠れられる場所がないか探した。
「……確かこの辺りって」
近くに昨日の夜に堕天使と行った公園がある。
一秒でも早く着くように小走りや早歩きで向かった。
公園の近くに来ると人一人いなかった。
近くの家々からおいしそうなにおいがしてきた。
「もうすぐお昼だから公園にも道路にも人がいないんだ」
私は公園で隠れられる所がないか必死で探した。
「……あそこなら」
私は見つけた所へ急いで向かった。
公園にある二つベンチのうち一つだけ大きい屋根が付いているところがある。
そこなら空から探しても屋根に隠れてて見えない。
しかも屋根が大量のつる草で覆われているので下に人がいる』なんてこの公園について知らない人が思う事も無いかもしれない。
悪魔がこの公園のことを知っているかはわからないけど、いい所を見つけた!
私は疲れを取ろうとベンチに座った。
このまま横になりたいけど決してキレイじゃないベンチだからやめておこう。
「やっぱりここにいたか」
「きゃああああああ!」
堕天使がいきなりつる草屋根から逆さまに吊るされたように突き出てきたので驚いた。
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