第7話 翌朝

 ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ


 目覚まし時計のアラームが私を起こした。


「ふわあぁぁ……」


 私はあくびをしながら目覚ましを止めて起きた。


 昨日は嫌な夢を見たなぁ。


 私が悪魔になるなんて夢だとしても冗談じゃない。


 正に悪夢!


「ミントちゃーん、早く起きなさーい」


「起きたー。今行くー」


 お母さんに言われる前に今日は起きれたのでなんだか気持ちがいい。


 部屋から出て階段を降りて行くと、だんだん朝ごはんの匂いが濃くなってくる。


「おはよう、お母さん」


「おはよう。今日はちゃんと一人で起きれたのね」


「嫌な夢見ちゃってね。それで早く起きた」


「どんな夢見たの?」


「それは……えっ?」


 テーブルをよく見ると皿が三つある。


「お母さん! 昨日の夜にお父さん帰ってきたの!?」


 私のお父さんは札幌に単身赴任している。


 普段は金曜日の夜に帰ってくるけど今日は火曜日だ。


「何言っているの? そこはお父さんの席じゃないでしょ」


「へ?」


 もう一度見直して見た。


 ……確かにそこはお父さんの席じゃない。


「じ、じゃあ……」


「俺に決まっているだろ姉さん」


「!?」


 後ろから聞こえたこの声、まさか……!


 振り向きたくない。でも振り向いて確かめたかった。


 恐怖心でいっぱいなので私はゆっくり後ろを振り向いた。


「おはよう。姉さん、母さん」


「おはよう來斗ライト。早く食べなさい」


「嘘でしょ……」


 そこには昨日の男が怪しげな笑みを浮かべていた。

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