表と裏から生まれました。

満月 愛ミ

表と裏から生まれました。



 鏡と鏡を合わせて、その見えた奇跡のような世界にはっとする。


 表と裏がいくつも、いくつも合わさって出来た世界。



 僕の今見ている世界がもしも、見えない表と裏の空間が無限に広がっていて。


 単純な、一つの道ではなかったとしたら。



 一つ一つ向かい合う世界が僕からスタートして見始めて、ずっとずっと向こう側まであって。


 日本から世界の裏側までその空間はずらっと並んでて、そして最後には地球一周できる程あって。


 無限に感じる。



 ねぇ。道を歩くだけで、いくつの次元を僕等はすり抜けているのだろう。そう、誰かに問いたくなる。




 道を歩くと、僕の側を、二人の女子高生が歩いてくるのが見えた。彼女達とすれ違う時、自分の彼氏がどうのとか。

 話を聴いてくれない、嫌になるとか、そういった文句を言っているような声が聴こえてきた。



 二人で居られることは、まさに奇跡なのに。



 もし、いくつもの次元を進んで、超えて。


 やっと一つの地点で二人が出逢う。


 すれ違うだけでも、凄いことかもしれないのに。



 目を見て、口を開いて、そして声を発して、お互いが受け取り合う。



 僕は思う。今はまだ視えないけれど、この未知なる世界のどこかに、君は居るのかな。



 運命の人は居ないと思うのは簡単だけれど、でも、いくつもの世界が在るのだとすれば。


 僕は信じたい。君と逢えることを。運命であることも。



 いくつもの空間を超えて出逢う。


 そう、瞳を閉じて思うだけで。それはもう、一つの映画を見ているような。


 ううん、そうじゃない。今まさに、長編映画の主役になったような感じになるんだ。


 そう考えた方が楽しいし、君というヒロインも決まっているのだし。


 僕達が出逢えたその時は、この次元を見ている人たちはきっと


 涙を流して、共感してくれるんじゃないかな。


 勿論、あの全米が泣いたとかいう、流行りの言葉だけじゃ終わらない。


 世界中の人たちが見ただけで分かる、愛のシーンに涙するんだ。



 そうだな、僕のヒロインは必ず、僕と会った瞬間好きになる。


 そういうことだって、ありだって思うんだ。





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