あいつの歌う声が聞こえる……

あの日から少女を苦しめ、少年の憧れ続ける死者の歌声。
主人公のリアルがいきいきと描かれるほど、不思議な声の存在感が研ぎ澄まされてゆきます。
あの頃のどうしようもなく揺れ動いてしまう心や、切ないまでの気後れや、きりきりと胸を焦がす憧れが、高校時代のむせかえるような熱気と陽気な谺を舞台に甦ります。
ピュアで繊細なフレーズの奏でる詩のような物語に、いつしか深く引き込まれます。
感動必須です。


<以下は 1月16日時点のレビューです>
あの日、生死の境で、歌うことの好きだった少女は声を失くした。その変わりに、まさか彼の声が……?

うわあ。この先どうなっちゃうんだろう。
リズム感のある文体が、ビートを刻むように物語を盛り上げていきます。章題がうまい。各話のイントロの<独白>も素敵です。

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