きっと、名も知らないご婦人は大久保にとっての夕顔だったのかもしれません。
覚めて身に染む夜半の風――。
のめり込んだあの熱情を大久保は醒ましてくれました、酒に酔う方でないからこそ冷まし方もわかったのかもしれませんね。
光源氏の真似事は常人には出来ませんが、願わくば、彼にとって一人きりの良人がまた現れますように。
この物語は読んでほしい。
一、二と段を踏んでの三段目、千鳥足でなく踏み外さぬようしっかりとした足取りで――。
作者からの返信
夕顔、確かにイメージに合っていますね。この先彼の女性関係のエピソードがあるのかどうかは決めていませんが、報われてほしさはあります。個人的にお気に入りの話を深く読んでいただけてとても嬉しいです!
ご婦人は憐れむでも無く、ただ誰かに泣いて貰いたかっただけの無害な…幽霊でも無銭飲食は犯罪ですね。経営者にとっては有害だ。