第4話
「本当に良かったのですか?」
副大臣が隣にいる大臣に問いかけた。
「仕方が無い、どうしようも無いでは無いか。私はできる限りの事はやったつもりだ。しかし、今の我々の技術では到底かなう相手では無かったのだ。」
議事堂から街を見下ろす。今日も人々はいつもと変わらず出勤し、通学し、ただ少し前と違う事は彼らは何一つとして思考していないという点だけだ。彼らはこれからも増殖していくだろう。
「しかし、我々人類の進歩がここで終わってしまうというのは大変心苦しい事ではあるな。 」
副大臣は隣の(大臣)に話しかける。
「心配無いよ。確かに新しいものは何も生まれない。でも現状維持は出来る。これからも地球の支配者が人類である事に変わり無いよ。」
「それは、本当にヒトと言えるのかな? 」
副大臣は隣の(大臣‥?)に問いかける。
「はは‥ヒトはヒトだよ。それ以上でもそれ以下でも無い。」
「本当にそう思っているのかい?」
副大臣は隣の大臣の形を模した肉塊に問いかける。
「本当にそう"思ってる"よ‥」
消えた思いは、 秋田健次郎 @akitakenzirou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます