質疑応答
頂きました質問に回答します。
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[2/1]公開分
■大嘘つき
これはネタばらしの途中で出てきましたが、『恋愛の本気』に絡みます。
本気の恋愛でも、ひとたび壊れてしまうとそれまでの本気が全て『嘘』になる。
元々、ある芝居の台詞が元になっています。
(発掘が大変なので記憶で)
「なぜ人間になったの」
「人間の女性に恋をしたからさ」
「どんな人だったの」
「賢い女性だった。完璧な嘘をつくほどの」
こんな感じ。
正人は両親が離婚したと考えています。(まぁ、死んでいると知らずにいないとなれば、高校生ならそれくらいは)
結婚し、自分が生まれたのに、別れた。愛情が冷めたとか、気持ちや行動の全てを『嘘』と感じています。その、気持ちが変わってしまった母親の子。この気持ちもいつか消えて嘘になるのだろうか。それゆえの憧れの中野さんへの告白へのためらいでした(笑)
そして。
お父さんは恋愛に対してちょっとコンプレックスを持っています。
冒頭で結婚がらみの話題に妙に噛みついたり(笑)芸能人を鼻で笑ったり。
そのコンプレックスは、お母さんと恋愛結婚ではない、と言うところから来ています。
イメージでは、
妊娠に気付きお母さん悩む
→口説いて(お兄さんから逃げるため&体面のため)入籍させる
→正人が生まれる。
お父さんは最後までお母さんの気持ちが自分にはなかったと思っています。その辺のコンプレックスも込みで『大嘘つき』(=好きでもない自分と夫婦をやっていられるほどの嘘つき)と言っています。
実際はオトがいたわけで、完全に気持ちがないわけではなかったはずなのですが、オトが誰の子供か、実はお父さんは知りません。(正確には、妊娠していたことは知っていて、誰の子供かを知らぬまま亡くしています。でオトは正人にしか見えません)
■大人になったら帰って来る
これは、「お母さんがいない」と三歳児が泣いたであろう時に、お父さんがとっさについた嘘です。
死を理解できる歳ではないので、『お母さんは出て行ってしまったんだ』と説明。その後、立派にまっすぐ育って欲しい、という思いもあり、「立派な大人になったらきっと会いに帰ってくるから」の意味で、口癖のように言っていた、と考えました。
『俺』と会った後の『大人になったら帰ってくる』は、母の事を察し、それが嘘だと気付きながら、嘘を嘘のまま呑み込んで、前を向く。
そんな雰囲気を出せたらと思い、『だから。』と一言入りました。
後に言葉を続けるとしたなら、その後には『俺は今日も明日も懸命に生きる』とかそんなニュアンスの言葉になります。
(実験)短辺完成までの軌跡 森村直也 @hpjhal
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