王様は騙してなんぼというじゃない?
がっついてる。うん。王様ならもう少し礼儀をわきまえて欲しいものダナ。
料理を持ってきた。肉料理を。そうしたらさ。王様まるで最後の晩餐で食い収めってぐらいの勢いで食べるんだよね。料理は逃げないですよ。一応沢山作ってよかった。
「次に主食主菜の肉料理です。最高にいい出来ですよ」
「なんと!今のがメインの料理ではなかったのかね!これ以上にうまいものがあるとは……私は食事関しては世界一の知識を持っていると思っていたのだが……世界は広いものだな」
「牛ステーキの寿司わさび添えと、ガーリックライスのステーキ丼です」
名前そのまんまだけどね。
「がーりっくらいすとは何じゃ?」
「ニンニクを米に入れて野菜などと炒めたものです」
まあ正直なところ炒める以外でも調理法はあるんだけどね。
「米を……炒めるだと……?」
チャーハンもないし、ピラフもないしチキンライスもないからなぁ。米を炒めるなんて想像出来ないんだろうな。
「ぬう!うう……うまい……美味すぎる。この辛いのはわさびか……辛いのに美味い。なぜなんだ!?下の米は酸味が……酢か?辛さと酸味が程よく混ざって調和している。私は料理に辛さと酸味など要らないと思っていたが……こんな使い方があるとは……」
おいおい。そんなに褒められると照れるだろ〜。まあ酢飯発明したの俺じゃないけどね。
「この料理を作った料理人を呼んできてくれ。是非とも会ってみたい」
「この料理を作ったのは俺です」
何もここでシカトする必要はない。素直に答える。
「君が……君みたいな子供が作ったのかね…………全部か?」
「はい。それがなにか?」
「す、す、素晴らしい料理だ!是非とも我が城の専属料理人になってくれ!報酬は言い値で払う!年齢など関係ない。最高級のもてなしをしよう。お願いだ!」
前にも同じようなことを言われた記憶がある。アメリカの大統領の会食を担当した時だ。大統領に直々に呼ばれて、まさかの土下座までされた。presidentがdogezaしたんだぞ!
まあそんな事もあって、いろんな会食の担当をする度に料理人になってくれと各国のお偉いさんに頭を下げられたものだ。
まあいつも、
「修行の旅を続けるので」
と言って断っていたが。
さて今回はどう断ろうか?え?受けないのかって?やだよそんなの。専属料理人って事は、自由に動けないんだよ。人生の9割は冒険なんだぞ!そんな仕事したら人生の9割消えんじゃん。
「すいません。俺も学園で学んでいる立場。いずれは高等学校まで卒業しようと思っています。その間には料理の腕もさらに上げたいと思っているので、俺が学校を卒業してから考えてもいいですか?」
我ながら良い出来の言い訳だ。
「そうか……なら仕方ない。もっと腕を上げてくれ。協力出来ることがあったら言ってくれ」
(キラーン)これはチャーンス!醤油や味噌作るお金欲しかったんだよね。
「ではひとつ。新たな調味料の制作、研究費用を頂けないでしょうか。お金があればもっと良い料理が作れます。そうしたらまた、食べにお越し下さって構いませんよ」
「おお。そうかそうか。また来ていいのだな!いいだろう。許可する。お金なら私が払おうではないか」
「ありがとうございます!」
よっしゃー!味噌や醤油が作れるぜ!マヨネーズとかチーズも作りたい!ああなんという事でしょう!この上ない幸せ!……おっと取り乱した。
また夢に近づいた。ちょっとこの王様には悪いけどちょっとだけ利用させてもらうおか。
世界一の魔術師?ですが本業は料理人ですので キラリ光線銃 @141205
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。世界一の魔術師?ですが本業は料理人ですのでの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます