第12話
「これが、私とハルナの出会いの物語です」
チューっと何本目かわからない酎ハイを飲みつつ、ポコが言う。夜はすっかり更けてしまい、夜明けも近そうだった。夜通し彼の話を聞いていたことになる。
「ポコ、うちのベランダで日光浴でもするかい? この時期はいい朝日が入ってくるよ」
「いいですね。そろそろ夜も明けます。夜明けとともに日光浴でもさせていただきます」
その時だった。こんな時間に家のインターホンが鳴った。
「おや、迎えが来てしまったようですね」
「そうみたいだね。行こう、ポコ」
ポコが私の肩に乗る。そのまま玄関のドアを開ける。そこには腕を組んでドアが開くのを待っていた、スーツ姿のハルナがいた。
「久しぶりだな、ニア。ダサい部屋着だな」
開口一番この女は。華麗にスルーしてやる。
「やぁハルナ、久しぶり。飲んだっていう割には全然顔に出てないね」
「酒は強いからな。というかこの体、酒に強いも弱いもないのかもしれん」
羨ましいことで。
「ニア、ポコをありがとう」
「こちらこそ、夜通しポコと話させてもらったし、楽しかったよ」
「ええ、私も楽しかったです、ニア。またお話をしましょう」
ポコがハルナの肩に移る。じゃぁな、と、また会いましょう、と一言ずついうと2人は星無き夜に飛び立っていった。
星無き夜に最後の舞踏を けねでぃ @kenedyism
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