第11話

 なんとか窓まで戻ってくる。その勢いのまま、外に飛び出す。ハルナは翼を生やすとそのまま屋上まで飛び上がり、屋上で着地する。

「とりあえずは、一件落着か?」

「おそらくは、ですね。サーバーを壊し、ロボットとサーバーの設計図を奪った。システム復旧まではしばらく時間がかかると思います」

「お前たちの群れを逃すだけならば、なにも設計図まで奪う必要はなかったと思うんだがな」

「将来を見通して、ですよ。とりあえず、私の知ってる烏たちが生きている間は、あのようなロボットに襲われて欲しくないので」

「この街は、これからも烏の楽園として、あり続けるのだろうな」

「そうですね。なんだ、この街が烏にとって住み心地がいいこと、知ってたんですね、ハルナは」

「あぁ、だからこの街に優秀な烏を探しに来たんだ。減りつつはあるがそれでも烏が住みやすい街ではあるからな」

「それはそれは。優秀と認められたなら何よりです。これからよろしくお願いします、我が主人様、ハルナ」

「こちらこそよろしくな、我が眷属、ポコよ」

 改めて自己紹介をする。私はこの魅力的な死神に、ついていこうと改めて誓ったのだった。

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