第1章 醜き者

第1話 転生

【狭間の世界】


気づいたら闇の中にいた。

ここが何処か分からない。

1分ぐらい経っただろうか。突然目の前に光る薄い膜のような物が現れた。

『こんにちは。お目覚めになられたようですね。ここは狭間の世界。死者の魂の行き場です。』

何やら文字が浮かびあがってきたな…

しかし、どういうことだ。俺は死んだのか?

『はい。あなたは死にました。橋から落ちて、そのまま頭を強打したようです。』

あー…確かにそんな感じがする。だけど、頭は痛くない。というか全身の感覚が無い。

『貴方は、この世界では魂というべき存在です。通常の生物の機能はありません。』

マジか。

『さて、ではあなたがする事を説明します。あなたには、特別な死者の運命として、別世界にて活動してもらいます。既に生きている者に対して乗り移りますので、ご承知ください。また、前の人格は無かったことになりますので、矛盾は発生いたしません。』

なんかこいつが一方的に説明し始めたぞ。しかし、これは転生だろう。普段有り得ないと思っていたのだがな…

『転生する先は、貴方の運命により選ばれます。その際に、2つの特技を無作為に付与させていただきます。また、それとは別に付与いたしますが、またの機会に説明させていただきます。』

転生先を選べないのはともかく、特技はランダムなのか…

それと別に付与するのとはなんたろうか…

『質問等はございませんか?』

そうだな、転生先の世界の常識を軽く教えてくれ。

『了解しました。簡単に言うと、魔物と人間種が対立していて、魔法や剣などで戦っています。いわゆるファンタジーです。「ステータス」と呟けば、自分の能力を確認できます。一般常識は国により異なりますので、現地にて覚えて下さい。』

かなりぶん投げたなこいつ

でもファンタジーか。まぁ、転生と考えたらオーソドックスなんじゃないか?

『それでは、転生先の選出をいたします。

___完了しました。

続いて、特技の選出をいたします。

___完了しました。

…いまから貴方の能力を表示いたします。』

ん?少し間が無かったか?

『シキ(辻見志貴)

種族 ゴブリン

【ステータス】

Lv 3

Str 4

Vit 2

Tec 2

Agi 3

Luc 1

MStr 0

MVit 2

【特技】

言語理解Lv★

サバイバル術Lv5

_________Lvー

【称号】

転生者

魔なる者


と、なります。まぁ、頑張ってください。』

は?いやいや、ちょっと待て。なんだゴブリンっておい!なんだこの光は!俺は嫌だ!ゴブリンなんて嫌だぁぁぁ!

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魔族転生記 チェニック @tyenikku

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