28 年末へのスタート 12/20~21

 〇2005年12月20日(火)


 ひさびさにあやねノート書きます! 年末会うことになりました。12月30日です! 

 今日はあやねととぎれとぎれだけど、ずーっとメールしてたの。まるで彼氏と彼女のよう。「おやすみ!」とか言わないで日にちをまたいでメールするのはいつ以来だろう?

 でも、こういうの少し辛いよね。あやねが私を見てるってわかっているなら嬉しいんだろうけど。

 あやねの今日の最後のメール、「いっぱいメールしてくれてありがとう!」

 こんなこと言われたくないよ。いっぱいメールするのが普通になりたいよ。


 これだけはいえるよね。

 やっぱり私はまだまだあやねを愛する目で見てる。友達としては見られない。

 あっ……そうそう、あやねに対して冷めた気持ちに、こないだ初めてなったんだよ。初めてってことの方がすごいのかな? まあ、このことは後で書こう。

 一時的だけなんだけどね。

 あと、クリスマスコンサートは嫌だったなあ。

 最後のミーティングのとき、大里君と私はそばにいたからどっちを見ていたか知らないけど、あやねこっち見すぎ!

 前を向けないよあれじゃ。

 自意識過剰じゃないよね?

 あやねはこっちを見てるよね?


 12月30日何が起こるの?

 私は、もう一度あやねに好きだっていうからね。

 12月30日は、あやねと手をつないで歩きたいよ。

 うちらにとってどんな日になるんだろうね。

 『東京ミレナリオ』ってね、今年で最後らしいよ。おおきくて有名なイルミネーションを見にいくって、カップルみたいだけど本当によかったのかな? 素敵な日になりますように。

 私たち2人ってさ、付き合えないで終わる可能性が高いけどさ、幸せな思い出はたくさんあるよね。付き合うとか、付き合わないとか……ひょっとして関係ないのかな。

 12月30日、私はその日も想いあっていると信じているから。

 あやねは私に好きとか……そういう発言はしないだろうけど、思いあってるって信じてるからね。楽しみだなあ。今日はおしまい!!



〇2005年12月21日(水)


 ねぇあやね? 今日の私はどう見えるの?

 私は今もこうやってノートを書いて、あやねのことを考えているけど、この時間は嫌いじゃないよ。


 好きだよ。あやねのことを考えているこの時間。

 いま私はあやねにメール送りたくて仕方ないよ! 最近、あやねの声を聞いてないや。

 12月30日、何かあるのかな?

 何もなくていいや。あやねのそばにいられるのがやっぱり嬉しい。どこ行こっかなって考えるのが楽しい!

 別に、あやねと付き合えなくてもいいのかな?

 こうやって2人で時間をつくれるのであれば。

 今はねって意味だと思うけど。

 いま一番あやねに聞きたいのは、「今の私はどう見えるの?」だよね。もう一度愛されてみたい。……愛されてみたい。付き合えなくてもいいからもう一度好きって言われたいなあ。

 かなわぬ夢なのかな? 見ることのない未来なのかな? でも、それを期待して生きるのも悪くはないよね。


 このあいだお友達がね、「本当に優しい人は言葉で安心させようとしない。ずっと好きだよ、とか、ずっと~ってのを平気で使う人は信用できないよね」だってさ。

 この話を聞いたあと、またあやねのことしか考えられなくなっちゃって、やっぱりあやねのこと好きでいたいなあって気持ちがあふれたよ。でもね、あやねはよく私を見てるし、ライブも行ってくれたし、今度も会ってくれるけど……、

 あやねが私を想ってくれているっていう自信は、ないんだよね。

 あやねは大里君と部活中、よく話しているよね。

 やっぱりまだ大里君のことが好きなの?

 そう考えると、ふらふらするよ。


 でも……その可能性の方が、ずっとずっと高いよね。

 いつか、あやねは完全に大里君のところにいってしまうのかな?

 今、あやねは別れ話をしたときと変わらないの?

 私は、変わってくれたんだと信じたい。

 かすかな可能性かもだけど……怖いけど……信じてみたいな。

 でも、あやねの態度をみてるとそんな感じだからね!

 変わったんじゃん?


 4冊目のノートは、あやねの心の変化をなんとなく感じて、それがどういったものか知りたいから書いていた気がする。まだ、私はあやねを好きでいられるよ。

 明日は、4か月ぶりに高梨さんに会うよ! 

 高梨さんは忙しい人だから、いつもメールだったの。あやねの相談を初めてした8月以来に会うんだよ! あの頃はあやねを好きになったらどーしよーとかだったね。なつかしいなあ。時の流れは速いね。4冊目はおしまい!



○番外編 未送信メール


 結局、あやねを好きになった8月の終わりから、ずーーーーっと、あやねのことばっかり考えていて、そうするとふと浮かんでくる想いがあるわけです。

 でも、それってなかなかすぐにノートには書けなかったりするの。

 そんな、ふとした気持ちのつまった「未送信メール」たち。歌詞を作るのにも活用しましたね。これら大量の未送信メールのなかから、これだと思うものを書き残しておこう。

 要はたまりすぎて、消したいだけなんだけどね。


『2005/10/21 やっぱり納得できないけど、あやねを愛したこと、後悔していないよ。愛することって素敵。幸せを呼ぶけど、悲しみも呼ぶんだね』


『2005/10/23 (厳しい意見をくれる江戸川さんの意見の要約)自己中でもう理解できない磯山に美紗都は捨てられただけじゃん。気の毒だとは思うけど、いつまでうじうじしているわけ? 美紗都はこの恋を正当化して、酔っているだけじゃんよ。今回の恋愛を美化しすぎだよ。いいかげん冷静になれよ。私はそんな美紗都にもう呆れ果てたよ。もう話も聞くのも疲れた。今の痛心の美紗都には冷たいようだけど、これが本音だよ。もういい加減にしな』


『2005/10/24 フラれた今、自分だけを見つめるわけじゃん。今が一番つらい。すごく怖いし、吐きそうになるし、今が一番つらいよ』


『2005/10/24 あやねに抱かれて、一緒に寝て、愛し合っているって思ったのは私だけ? 私のほうだけ? あやねは私と抱き合って、「やっぱり大里君が忘れられない」って悟ったの? なんなのそれ? 意味わかんない……。本当に意味わかんない。理解できない。あやねは私を選ぶつもりないのに、なんで家に来てほしいとか、そういうことするの?』


『2005/10/24 一緒に寝た夜、ここまで関係が進んでいるのに、選んでもらえない可能性に恐怖してめちゃくちゃ泣いたなあ。実際、選んでもらえなくて、本当にへなちょこになった。こんなに弱かったんだな自分て』


『2005/10/24 最後の公園での態度は、納得したからではなく、あやねを失うのが怖かったからとった行動かもしれない。あやねを失うのが怖かった。あやねの特別でい続けたかったんだよ。情けないな。でも嫌だったんだもん。こんな短い期間しかあやねの特別でいられないなんて耐えられないと思った』


『2005/10/24 あやねに愛されてたって信じたいよ。あやねが大里君を忘れてまた私を見てくれるまで待ちたいよ』


 閑話休題。っつーか、10月24日多いね。でも、この頃は家からも出ることができなかったから。毎日、起きた瞬間が最悪。ひとりぼっちがこわくて、本当に怖くて怖くて、部屋に音楽を流していないといてもたってもいられなかったんだ。

 たぶん、生きてきたなかで一番おかしくなっていた時期だよ。

 そりゃそうだよ。初めて抱き合って寝て、そして3日後に別れ話だもん。おかしくもなるよ。よく立ち直ったよ。しかも、ずっとまだあやねが好きなんだもん。

 それにしても、江戸川さんは鬼だな。傷ついている人によくあんなことが言えるな……。


『2005/10/26 私が今あやねのことを考えたって、大切に思ったって意味ないんだ。結果は変わらないんだ。もう……ほんとうに悲しいよ』


『2005/10/26 あやねと話したいことがいっぱいあるよ。相談したいこと、いっぱいあるんだ。でも、できないよ……』


『2005/10/26 あやねがつらいとき、そばにずっといたのは私だったよね? いつも、温かく見守っていたのは私だった気がするのになあ。だから……、もういいんじゃないかな。思い出にしてしまってもいいのかな』


『2005/10/27 お互い好きだねって確認して、思いあって……なのにやっぱり元彼が気になるからごめんない。元カレに戻ります。だよ? ひどい……。』


『2005/10/28 あやねと二人で一緒でしか行けない場所につく直前、もう戻れないところまできていたのに……突然捨てられて……私はどう元にいた場所に戻ればいいの?』


『2005/11/12 うん。なら構わないよ。ちょっとかわされ過ぎな気もするけど……当たり前だよね……(以下省略)』


なんだろう、これ。

ああ。ミスチルライブに誘って、断られると思っいて、返信用に作っておいたメールだ!


『2005/11/25 私は……あやねを安心されることしかできない。大里君は、いとも簡単にあやねを混乱させることができる。やっぱり、あやねの中には大里君がいるのかな……』


『2005/12/02 なんでそんなにイライラしているの? その原因、友達だったころなら聞けるのに、今は聞けないよ。それがなんだかもどかしいよ。なんでも話せる関係に戻ること。それは私にとって、あやねを諦めることなんだ。どっちがいいのかわからない。ずっと愛していたい自分もいるし。昔みたいになんでも笑って話せる関係もいいなって思う自分もいるよ。これはよくばりなことなのかな? 「もう頼らない」って言っていたくせに、最近ちょっと私に寄りかかってくれるよね。一人ぼっちがつらくて……イライラしているのかな? 大里君が、遠い存在になっているのかな』 


<四冊目完>

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