第2話 自己紹介
下水道を走る3人は数キロ走った先でヘ泥に足をとられ立ち止まる
「これからどうするっ!?」
「とりあえずリヴェットに向かう、・・・ってあれ喋れるようになってる!?
ええっとこの扉から近くのマンホールにでられるはず・・・走って!」
(私と同じ名前?)
「あなたは大丈夫?騎士見習い・・・さんっ?」
「・・・」
「なにやってんの!早く!」
「あぁっ・・はい!」
人一人がやっと抜けられるほどの小さい隙間を抜けて3人は商業区にたどり着く
辺りを見渡すとすっかり夜になっていた
「ちょっと表見てくる2人はそこに居て」
「はい・・・ねえあなた名前は?」
「王都28小隊・・・リリアン・ヴェルタです。第4皇女殿下リヴェット様」
「そのこと他の方には?」
「言ってません」
「そう。良かった」
「お咎めは・・・しないのですか?」
「石を投げたこと?」
「はい」
「私はお兄様とは違います。王都が決めたことに逆らうようなマネはしません」
「・・・ぉ強いんですね」
「おーい、こっちは大丈夫みたいだ劇場に入っちゃおう」
「劇場?」
3人は闇夜に紛れ裏手から劇場リヴェットに入る
「ここは?」
「リヴェットだよ劇場リヴェット」
「広いわね」
「うん、客間好きに使って平気だと思う」
「劇長さんは?」
「死んだ」
「ああ、そうなんだっ・・・」
15m3の黒塗りの柱に赤いカーテンと横長の椅子がある3階建ての
大屋敷ここは何十年も前に立てられ、劇長が死去した後は管理する物が
おらずそのまま残っていた
嘗てアルバンが夢を決意し公開する場所として決めた劇場でもある
「とりあえず、自己紹介でもしとく?」
「そうね、私と彼女はもう済ませちゃったけど」
「俺はアルバン!夢の中に出てきた事をそのまま現実にしたい!」
「・・・・抽象的ね」
「あの。質問なんですがその武器は?」
「え?これ?銃って言うんだ」
「じゅう?」
「そう鉛と火薬を込めて・・・引き金を引けば
鉛が飛んでいって遠くの物を打ち落としたり出来る」
「そ、それは毒なのかしら!?」
「ああ、そういえば君のお兄さんこれで撃っちゃったんだよね
でも大丈夫鉛が貫通した所は見たからあれ以上傷が深くなることはないよ
あの・・・ええっとごめん」
「いいえ、じゃあ私の番ね」
「殿下っ お辛ければ私が変わりに」
「リリアン、私はもう皇女じゃない反乱分子の妹リヴェットよ
私の兄エデュオンは乱心して王に刃向い王都から何年も追われていました
兄を誘い出す為最低限の生活を屋敷の隅でさせて貰っていましたが
今日が時効であの時計台に吊るされました。
それでも時間が過ぎるたびに焦った王都が【落とせ】という命令を
出してこの子を連れ出したんだと思います
そして、あの場に兄をとどめる為何も知らないフリをしてあなたたちを
・・・利用した」
「ふーん」
「怒らないの?」
「興味ないかなー」
「・・・」
「謝るくらいなら、あの剣のこと教えてよ」
「剣?・・・兄が持っていた聖剣のことですか?」
「セイケンっていうんだ」
「はい、騎士の中でも特異な才に秀でた者が使えるとされます
お兄様から剣については教えてもらえなかったですが
アレは”声”を支配していたと思います」
「声・・・か」
アルバンは手を宛がいながら喉の焼ける痛みを思い出す
「私はリリアン・ヴェルタです
先日まで王都に仕えていましたが今日、殿下・・・リヴェット様に
あのような事をしてしまいそんな日の目を見るような職を
名乗り続けていいものかわかりません」
「・・・ねえなんか皆、暗くない?そんなに嫌な日だったかなぁ
俺さ小さいときに親死んで叔父さんに引き取られたんだけど
厳しいのなんのってやる事成す事にいちいち文句つけられては、殴られて
今日あったことなんてそれに比べたら全然ましだったけどな
そりゃ大きい見習い騎士さんが死んじゃったのは残念だけど何時までも
ウジウジしてられないよ」
「・・・そうね」
「とりあえずこれから何するか皆で決めようよ。」
「あなたはもう決まってるの?」
「うん!竜を見つける15cmの羽が生えたっ!」
「っぷ」
「あ、笑ったなリリッペ」
「リリッペって誰よ」
「君だよリリッペ・ヴェルタ、俺の夢を笑ったんだこっちは
名前を馬鹿にさせてもらう」
「貴様!父からもらった大切なこの名を愚弄するか!?」
「ははっ、やってみろ俺のカバンには、この7つ道具があるっ!」
「全てポンコツの粉々にしてやる!」
「あなたたちいい加減にしなさーい」
醒めない夢 @satou06
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