第2話 妖精石

 巨大な地下神殿をつくりその上に豊かな大地がひろがり、人々があつまるとともに王国を築いた。三方を山脈にいだかれ、海に面した陸の孤島のような...まるで、龍がまるくなって眠っているような形。作物がよく育ち、山からはたくさんの輝石がとれる。また、海の幸もまた豊富で、それも地下に眠るという龍の加護だという。

 周辺の国々からの侵攻も幾度か、戦闘に特化した少女たちが光の鎧をまといこれを迎撃殲滅していく。

 侵略は、宇宙からもある。龍の卵をねらう魔物。突然空から落ちてきて、王国に侵入しようとするものの、結界にまもられた王国にははいれない。この結界の要になるのが妖精石である。王国の各所に点在している。この石は、生命エネルギーを収集するのにも使われているらしい。


 この国のあらましを眠りこけながら、淑女教育に特化した「ヴァルキリー学園」で学ぶ光の姫の子孫、クロスフィア・アレンデル...愛称クロコは...

 その話は、聞き飽きたわ。なんせ、毎朝、神殿で聞かされる内容であり、私たち光の姫の子孫であり、龍の卵をまもり生命エネルギーを供給するもの。


 それより、卒業後のことの方が気になる。ここを卒園してしまうと、光の姫の使命として、王国の軍に属するためか、神殿に属するか...あとは、結婚して次代の光の姫たちをつくるか?


 王国軍に行くとして、能力の差によって待遇がちがう。身体能力に幸い優れたクロコだが、堅苦しいが大の苦手。一応、外交職に父と兄はついていて、姉は隣国に王太子妃として嫁いでいる。親戚には、宝飾系と神官系と、なかなかに、いいとこのお嬢様なはず...ただ、本人はどちらかといえば脳筋よりなので、お勉強はそこそこ...淑女としての教育は、7歳の時からこの学園の寄宿舎にいる為、最低限でも身についているはず。

 そして、同じ時期に入った親友でもある、ネイリアとはお互いの苦手なところをカバーし合いながら、学園でのトラブルも解決してきた実績がある。女だらけであるからして、外部から侵入して良からぬことをしでかす輩も多数。

 なんせ、淑女養成組織であり、そこそこ良いとこのお嬢さんたちが生活する場である。世間的には、うつくしくうら若きか弱い乙女の園なのである。

 光の姫の末裔でもあるので、学園の生徒達には、全て扱える輝石の力が備わっている。見た目にも反映しているため、クロコの輝石はオニキス、黒髪ストレートに紫がかった黒目である。ネイリアことネイは、黄水晶の力をもち、見た目もピンクブロンドふわふわのくせっ毛で翠の目をもつ。2人とも身長さほど高くなく、154とか155とか...同年代の女子よりも5センチくらい低いが、まだ、10代なので、伸びる!?と期待している!

 今年2人は、卒業なので、もうすぐ14歳になる歳を迎える...つまり、そうそう画期的には伸びないであろうけれど...


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