第3話 非現実

「なんだよ・・・これ」

おもわず口にでてしまう。

無理もない、目の前には凄惨な現場が繰り広げられていた。


頭部に『こぶ』の出来た人間が他の人間を襲い、そして喰っている。

一部ではない、そこらここらで喰い喰われが行われている。


「まるでゾンビ物の映画みたいだな」


まだ半分寝ているのかはたまたあまりに突飛なできことで脳が処理できていないのかそんな暢気な台詞がでてしまった。


「まさか、さっきのドアにぶつかってたのは!?」


急いで左をむく、そして右を向いた瞬間ーー


「ヴァァアアアアア!!」


目が合ったそいつはこちらにめがけておぼつかない足取りで向かってきた。


「うわぁ!やめろ!くるなぁ!」


とんでもなく情けないが『こぶ』を揺らしながらむかってくるそれにそんなことしか言えず家の中に急いで戻る。


ーーガン、ゴンーーーー

「ヴァア!グォオオオオ!!」


呻き声とも叫び声ともつかない声をあげながらドアをたたいている。

俺は恐怖におびえながら静かにそいつがいなくなるのを待つことしかできなかった・・・。

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東京パンデミック べいぷ @Vepe

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