我が家の節分 - エッセイ(節分)

*玄関飾り

 柊の枝先を少し、15cmから20cmくらい、採ってきて、イワシの頭を突き刺します。

 それを玄関(外側)に飾ります。我が家では、国旗掲揚用の旗受けに挿していました。

 魔除けのおまじないです。


*豆

 我が家では、大豆です。

 煎った大豆を一升枡に入れていました。

 豆まきは、人や霊が出入りするところに、「鬼は外、福は内」と。

 玄関、勝手口それに縁側で豆まきをします。


 豆の出番は、豆まきだけではありません。

 食事の時、自分の数え年+1個の豆を取り、一個を自分の後ろに投げます。目の前から、頭の上を通って、自分の背後へ。

 その後、手元に残った数え年分の豆を食べます。


 子供はいいんです、むしろもっと喰わせろくらいの勢いで、後からもっと食べます。

 お年寄りは(特に入れ歯になっていれば)そんなに食べられない上に、年齢を重ねた分食べなければならない個数が増えます。

 食べられない分は、半紙に包んで残しておき、2週間後の神社のお祭りの時に持って行って、その様な豆を納めるところがありますので、そこへ。


 その神社は、氏神というわけでも近所の神社というわけでもありません。そもそも、他県です。直線距離で、10km以上離れています。

 子供の頃からそういうものだと思っていたのですが、今になって調べてみると、西暦812年から続く、由緒あるお祭りでした。


*恵方巻き

 太巻きを恵方を向いて無言で丸かじりする、ここまでは様々な宣伝により、周知されているのではないかと思います。

 我が家ではもう一つ、重要なポイントがあります。それは「」ことです。

 通常の巻き寿司は、作るときの両端の不格好な部分は切り落とします。ですが、恵方巻きではその不格好な部分も残します。


 食が細い場合、太巻き1本を丸かじりはしんどいです。

 その場合は、細めに作ったり、最初から半分の長さで作ったりします。作ってから、半分に切るという事はしません。

 基本長さは、焼き海苔1枚分ですので、20cm程度です。


 それをふまえて、恵方巻きの宣伝写真を見てみますと、見事にすっぱり切られています。

 切ってあるという時点で、私には恵方巻きではありません。

 長さも、9cmだったりします。


 太巻き1本は多い人には多いのですが、足りない人には足りません。

 我が家では、人数分の恵方巻きの他に、普通に切られた太巻きも食卓にのっていました。


*もうひとつ

 節分と言えば、豆まきと近年持ち上げられている恵方巻きですが、もう一つイワシです。

 年越しイワシは、生の大きなイワシを焼いて食べていましたが、節分のイワシは小さいめざしでした。

 最初の玄関飾りに使うイワシの頭も、めざしのものです。


 節分の日の夕食は、豆、恵方巻き(と巻き寿司)、すまし汁にイワシと決まっていました。

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