エピローグ 彼女の呟き

「疲れたー」

 司馬邸の自室に入るなり、麗華はベッドにダイブした。

 結局、あの後、上位入賞者への賞金――小切手を渡したり、事故った車を撤去して呼ぶ寄せた搬送車両に積み込んだりしていたら、夜も明け、帰ってきたのは日差しも高くなったこの時間になってしまったのだ。

「寝るなら、着替えてください」

 そのまま眠りこけそうなのを見て、晶が諭した。

「疲れたから、嫌」

 そんなに麗華は駄々をこねた。

「着替えさせて」

 苦笑いしながらも晶は主の銘に従って、麗華の上半紙を起こすと着ていたセーターを脱がし始めた。

グランプリGPはあんな形で終わって残念だったけど」

 晶がされるがままに、デニムのパンツを脱がされながら麗華は独り言のように言った。

「収穫はあったわ」

 それを晶は、パジャマを用意しながら黙って聞いていた。

「やっぱり霞にはホールディングスに戻ってもらわないと」

 パジャマのアンダーを履かせてもらいながら、麗華は続けた。

「それに、あの彼も」

 そして、付け加える。

「何か、良い方法はないかしら?」

 そこで始めて麗華は晶の顔を見た。

 しかし、突然の問いかけに晶は困り顔をするしか無かった。

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Sky Way! 碗古田わん @its_a_dog_vow

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