まず、タイトルにやられました。「猫が湯ざめをする前に」。いいタイトルですねー。七五調のリズムに、夏目漱石を連想しちゃう。エッセイ集のタイトルとしては会心の一撃です。読んでいくと、共感するところもいろいろ。育児の、赤ちゃんに言い逃げしていくやつなんか、すごくわかるし、何やねんお前とか思う。あと、良いスーパーのカートは良い、これもわかる。カートがなめらかに動くと、それだけで余分に買っちゃう気もします。売上に悩むスーパーは、まずはカートを全とっかえするところから始めるべし!
この世界観が、とても好きです。ゆったりとしていて、コーヒーや、甘いお菓子を片手に読みたくなる。猫が住まう脳内は、単純なようで複雑で、女性の内面をよく表していると思います。私はカートの話、とても共感しました(笑
猫ならではの、どこかおっとりとした感じが、いい雰囲気を醸し出しています。
生きていくための活力源になっています。
文章には、特にエッセイには人柄が出ると思うのだが、深水さんの文章は優しくて暖かいのだ。時にふ~んと感心し、時にあははと大笑い(オススメのナカメシグルリアン)しながら楽しみに読んでいる。一話一話をわざと短くしているそうで、それも読みやすい。無駄のない文章を作るのは難しいと思う。それから、テーマによってはドロドロしがちなお話もサラリと暖かく書いているので安心して読める。『今日は何のお話?』と寝る前の楽しみになっている。