第2話 鬼ヶ崎 雷奈の事情(中編)
「もし鬼
彼女の言う鬼
100年の間に一度だけ訪れる
鬼
17歳の
候補者は他に2名。
彼女の姉と
100年前の先代も200年前の先々代も
だが
どんなに訓練をしてもその点だけは向上することはなかったからだ。
それこそが彼女が努力で超えることの出来ない才能の壁だった。
「ゴァァァァッ!」
男は野太い声で喚き散らしながら再び
騒ぎを聞きつけたようで、少し離れた母屋にパッと灯りが灯った。
両親や姉が駆けつければ化け物をすぐに調伏して事態を収集してくれるだろう。
(別に私が出来なくても他の誰かがやってくれる)
そのことが彼女の動きと判断力を鈍らせてしまった。
避けたと思った男の腕が
「あうっ!」
するとそれを見た男が力の限りに彼女に体当たりを浴びせかけたのだ。
「うぐっ!」
そしてそのまま背後の大岩に背中から叩きつけられてしまった。
「かはっ!」
あまりの衝撃に
だが
(この手で、自分の手で、目の前の現実を……腐った全てを……ぶち壊したいっ!)
悔しさ、歯がゆさ、己への怒り、そうした感情が彼女の体を震わせたその時、痛みは唐突に消え去った。
入れ替わるようにして、背中に感じる岩肌から強く、そして恐ろしいほどに破壊的な波動が伝わってきた。
【我ヲ欲スル者。ソノ
それは
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『オニカノ・スプラッシュアウト!』
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