6
降りやまない雪の中――アクセルペダルを踏み込んだ。
もう、少しの
姿かたちもなく、けれど確実に、それは私たちに迫っていた。
後部座席では、
「愛海、眠っちゃダメ」
「
「私がみんな死なせない。私が守るから」
「違うの深雪ちゃん。怖くないんですよぉ」
どうしてか愛海は、
「愛海?」
「たぶん、聖二くんも陽彦くんも、起きられないんじゃない。起きたくないだけなんです」
何を言っているの――そう出かかった言葉が
こんなにも安らぎに
何も言い返せない――
どうして
エンジン
どうすればいいのかわからず――手をさしのべることすらできないまま、かのじょもまたねむりの
アクセルをふみこむ
アクセルからかんぜんに
うずをまくようにまわりの
それをほったらかしにすることに、ことばにできないさむ
なみにながされて、とうとうわたしもわたしをてばなしてしまった――
※※※
辺り一面が、
「ありがとな、
目の前の男の子は傷一つ、返り血の一つもつけてはいません。出会ったあの日のまま、不器用に頭を
私は身体のあちこちが痛くて、熱くて、仕方なかったけれど、けれどそれだけで満足でした。
だから私は、胸を張って言えるのです。
これが私――
※※※
天井を伝わる振動――
世界をはっきりと
私が見る夢にはいつも
だからあの見覚えのないほんの
とても満たされていて、幸せな夢だった。少なくとも
私はきっと、
彼女の命を
だから、陽彦たちのためになろうとしていた。そうすることで、私が私を認められるようになりたかった。
がんっ、がんっ、と天井を
ふと、降りてくる
ワイルドハントが、幸福な
私ならそれが確実にできる――手足のない
(「いたずらに苦痛を長引かせることは、お前のエゴだろう」)
聖二の
私にしかできない――それは、とても
三人の
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