別世界 まふゆのたびじ、青
廃他万都
枯れた地平
風が吹き抜けている。
青く凍った大地の上だ。
私は昨日破損した計器の修理をしていた。
そしてそのままレム睡眠へと突入する。
最も私の体は小さなICE CUBEと呼ばれるアクリルでできたブロック氷のような形だ。
1/100000のシャッター速度で撮影されるピンホールカメラの映像により、私の視覚は保たれているに過ぎない。
そして情報と感情をつかさどるプログラムが搭載されている。
このプログラムにレム睡眠とノンレム睡眠の配分も組み込まれている。
私の手には六角レンチが握り締められていた。
そして目覚めると、手のあった部分にはモーターとジョイント、そして赤や黒の配線が見える。
油など不要の永久潤滑の機能を持つ関節部はこのところガタがきている。
油が不要な代わりに、やわらかい関節部は消耗が激しい。
ポッド内の在庫にアクセスしてみた。
量はすでに10を切っている。
今日中にこの星から出発しなければならない。
徐々に中心部からの空洞化が進んでいる。
小型宇宙ステーションの建設に向けて与えられた期間は短い。
最も、私の質量、形状とも極めて小さいので、お椀型のスケールで事足りる。
別世界 まふゆのたびじ、青 廃他万都 @haitamanto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。別世界 まふゆのたびじ、青の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。