第2部 玲の愛

β30 第2部 プロローグ

   1


 左手に五芒星の痣を持つ、元傭兵、漆黒のマリア。

 右手に六芒星の痣を持つ、元軍医、白銀のウルフ。

 二人は、敵同士でありながら、恋に落ちる。

 戦地から日本へと移り住み、ウルフは帰化した。

 ウォルフガング=アルベルト=ミュラーは、三浦司狼と名を変える。

 また、木下真理亜は、嫁いで三浦の姓を名乗ることになった。

 個性的な教育を試みている徳川学園を中心とする所に居を構え、三浦夫妻は幸せに暮らし始める。


 マリアがウルフとの子を授かり、産まれて直ぐに美しい女の子は、大いなる喜びのもと三浦美舞と命名された。


 両親が心配していることはただ一つある。

 美舞は、両の手に神なる力を携え、誕生したからだ。

 左手に五芒星、右手に六芒星の痣を持つ極めて珍しいハーフだからだ。

 その為、護身術とその力のコントロールを幼い頃から両親に叩き込まれていた。

 ただ、暴走するときもある。


 高校部に入り、素晴らしい出逢いがあった。

 空手部のマネージャー兼ハイジ部の部長、芳川日菜子と親友になる。

 また、一学年下に空手部に入って来た土方玲は、ただ者ではなかった。

 能力者のようだ。

 しかし、その玲からお付き合いを申し込まれて、おデートまでしてしまい、美舞は汗を掻いてしまう。


 そのとき、美舞と玲は、神の秘密を知ってしまった。

 神のみならず、聖、魔も敵となり、とうとう闘いの火蓋が切られる。

 三浦家総動員それから玲も勿論のこと、力を合わせて決戦に挑んだ。

 神は、敵なのか。

 美舞は心のつよさで勝れるか。

 熾烈な闘いの末、勝利の実をもぎ取った。


 五年後、美舞と玲は結婚する。

 日菜子の手伝いもあって、感動的な式となった。

 その最中で、新郎新婦は夏の空に星が流れたのを感じる。

 美舞と玲はゆっくりと結ばれた。


   2


 その後のことだ。

 土方美舞は、武道を極めていた。

 土方玲は、医学を学びながら、アルバイトに勤しむ。


 運命的な絆を感じ、愛し合った二人のもとに、土方むくが誕生する。

 可愛らしい女の子は、新たなる星の囁きを継ぐ者となった。

 スーパーベイビーとして、玲もびっくりなことが起きる。

 手の痣はどうなっているのだろうか。


 しっかり者の母親だった美舞の様子がおかしい。

 美舞の妖しいオーラを乞う人々が現れた。

 玲とむくで、きな臭い五芒星の城に潜入だ。

 これは、依り代となった美舞の運命だろうか。


 玲にむくよ。

 禁じられた美舞のオーラを封じろ。

 美舞よ。

 克己し覚醒せよ。

 カルキを祓え。


 いざ、醒なる美舞を玲とむくの愛で救いに行け。

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