第4話 ロボット王者決定戦
オーラムを駆り、
グリッ!
左右の操縦桿を前に押し出すことでオーラムを前進させながら、その両操縦桿のグリップを手前にひねる。
ボゥッ――
オーラムの両肩のサブ
敵機を示す赤い枠状マーカー。
そこに記された機体名は――
カグヤ機〝シルバーン〟
銀の軽量級・汎用型可変VD
ゼラト機〝ルベウス〟
赤い軽量級・強襲型VD
グラール機〝ハーツブラッド〟
赤い重量級・砲戦型VD
――やっぱり3機か。
エイラ機〝アルマース〟
白い中量級・狙撃型VD
――が、いない。どこかに隠れて僕等を狙ってるんだ。
自動照準。
AIが敵3機の中で一番狙いやすい位置にいると判断した機体を
ドキューン‼
予告線が
青は荷電粒子。
緑はレーザー。
2種合成ビームは直撃すればVDを半壊させる――けど、
ビィィィッ‼
ガガガガッ‼
後方の
でも、
一方、反動の強い武器を撃った
その隙を狙った反撃が――僕に‼
敵機の弾道予告線はモニターに赤い〝弾道警告線〟として表示される。迫る2本の弾道警告線は
だからッ!
左操縦桿のパッドをスライドさせて手動照準、オーラムの胸元から伸びるもう1本の弾道予告線を動かして2本の弾道警告線と交差させ、左操縦桿の
ガォォォッ‼
ジュジュッ‼
オーラムの胸の獅子が
『ウソォ⁉』
甘いよグラール! マッハ7の弾丸でも、
今度はそっちに隙ができる番‼
ガガガガガガッ――ドカァン‼
『やっぱ瞬殺ぅ⁉』
『『グラール‼』』
全弾命中、蜂の巣になった
「ナイス、ヨモギ!」
『すごいや!』
『
『イェーイ‼』
『行くぞアキラ!』
「うんッ、
隊列最後尾から前に出てきた
僕と
これが僕等の近~中距離戦の陣形!
『アキラ、勝負よ!』
「カグヤ!」
『いいやカグヤ。お前の相手はわたしだ』
『
『なら、アキラの相手はオレだな!』
「師匠……!」
僕 vs 師匠
個人の部の準決勝と同じ対戦カードだ。
僕とカグヤは器用貧乏な
僕とカグヤは、
だから2人とも準決勝では格闘戦を
でも、今回は!
左右の操縦桿のダイヤルを親指で回す。全天周モニター上の装備一欄を
右
左
オーラムの右手が
「行くよ‼」
突撃してくる
『今日は逃げずに向かってきたな! それでいい‼』
一瞬で互いに肉薄し――激突‼
オーラムの振るった剣は
振動武器同士の接触は、その破壊力を高めている高周波振動を相殺する。互いの攻撃を
『オイ⁉ どこ行くんだアキラ‼』
『コラ! 敵に背を向けるな‼』
「その言葉、そのまま返すよ‼」
『ん? どういう――』
ドシュッ
『何ィ⁉』
ドカァン‼
僕じゃ格闘戦で師匠には敵わない。
でも今は仲間が、
普通、敵機に背後から忍び寄っても自分の射撃武器の照準が相手のモニターに弾道警告線として見えてしまうのでバレる。でも格闘武器しか装備していなければ警告線を出さないので気づかれにくい。
それに――
『だぁぁ、油断した!
『ゼラト……ぼくが、ゼラトを?』
「そうだよ
『や……った、やったやった‼』
『タツキん、止まんな‼』
ブワァッ‼
ドカァン‼
『え――?』
光の
狙撃!
『ヨモギィッ‼』
『アタイよかエイラを‼』
「わかった!」
使用武器変更‼
オーラムのバックパック右側に2つ折りで
ズガァン‼
バガァン‼
「くそ!」
『クッ!』
3kmを一瞬で駆け抜けた弾丸は
でも本体は無傷だ!
今度こそ――あっ⁉
『わたしが行く!』
「
ガシャッ――ボゥッ‼
『待ちなさいよ!』
「行かせないよ!」
僕は
『もーッ! ごめんエイラ、待ってて!』
『了解した……来い、
『参る‼』
『ぼくのせいで、ヨモギが……!』
「
『え?』
「外に出て、敵の母艦を沈めるんだ!」
『――うん!』
使用武器変更、
「やろうか、カグヤ!」
『いいわよ、アキラ!』
オーラムと同じ汎用型の
ドキュン! ドキュン!
ガガガッ! ガガガッ!
交錯する閃光と実体弾。互いに相手の背後を取るよう高速で飛び回り、相手の攻撃を避け、隙を見ては攻撃を加える
速さが命のこの戦いで――
しかもこっちは
『あ、あらっ⁉』
「弾切れだね!」
さっきの
『やばっ!』
ドカァン!
やったか⁉ ……いや!
カ
爆発したのは直前に
カグヤの得意技。
くそう、毎回これにやられる!
本体はさっき見た穴から外に!
とにかく追いかける!
こういう時、速度の遅い重量級はもどかしい……! 大分引き離されたけど、やっと僕も穴を潜って――
‼
敵母艦から発進したバックパック輸送用の無人航宙機〝メルキュール〟から、新しいバックパックが分離した。人型に戻った
ドカァン!
バックパックが爆散した⁉
撃ったのは――
『タ~ツ~キ~ッ‼』
『う、うわぁぁ‼』
「
ズバァッ!
「隙だらけだ‼」
『あ、ちょ――』
ドカァン‼
オーラムの
『キーッ! エイラ!
『すまない、自分はもうやられた』
『残り俺だけ⁉ くっそぉ‼』
蔵人の操る
「食らうか!」
巨大な艦体は回頭に時間がかかる。VDの中では遅い方のオーラムでも余裕で側面に回り込める!
ビィィィィッ!
幾条ものレーザーが
ズガァン!
ズガァン!
それを避けたり盾で受け止めたりしつつ、
「
『任せろ!』
『と、
ズドンッ‼
銀翼形態のグラディウスは全身が一振りの
『まだだ!』
『何ッ⁉』
ビィィッ!
ドカァン!
『す、すまんアキラ! みんな!』
「よくも
ズガァン!
ズガァン!
オーラムの武器を
『まだまだ‼』
「うげっ⁉」
ガォォォッ‼
ズガガガッ‼
オーラムの胸の獅子が
VD全機種の固定装備。使用武器に選択してない時は自動で自機に迫る飛翔物を迎撃してくれる。
でも、こうも近くでこうも大量のミサイルを撃たれると、対処速度が追いつかない……!
迎撃しながら全速力で後退!
するけど――ああ、ダメだ‼
「うわァッ‼」
ドカァン‼ ――ボシュッ!
くっそぉぉ!
撃墜された!
『やりい! あとは――』
『君だけです。
『え』
ギュオォォォォッ‼
これは
『ちくしょォ‼』
ドカァァァァァン‼
『試合終了ーッ! チーム・ヴァーチカルの勝利でーす‼』
「『(×5)やったァーッ‼』」
『(×5)あぁ~っ……』
『501敗……負け越したぁ~っ‼』
『アキラ! やったね!』
「うん、
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