その文化歴史となりて葬られし時 吾が青春の夢もまた消えにけり

 大東亜戦争前夜、支那事変辺りの、旧き良き時代を舞台としたミステリー小説と出会えるとは思っていませんでした。

 帝国の破滅が、少なからず垣間見え始めた時代を駆ける、明智湖太郎等、若き諜報員たちの物語です。

 読者諸君。

 いずれ、時代の荒波に飲まこまれ、消え去る運命にある彼等。

 その物語を括目して待とうではないか。


 注意:ひとこと紹介では、永井荷風の[震災]の一節を流用しています。 

 

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