第13話 崩壊したバスハウスの中で
「
カラスの妖魔がまだ姿を見せていないことが気になっていたが、バスハウス内の
散乱した家財道具を踏み越えながら、
1階部分と同様に荒れ果てた自分の部屋の中を
すると倒れたベッドと壁の
思わず身構えた
「や、
姿を現したのは
「
「大丈夫? ケガはない?」
「……はい。少し体を打っただけです」
そう言って弱々しい微笑みを
「ひどい……一体、何が?」
「何も覚えていないのね。敵に襲われたのよ。
「そう……
駄目もとで声を張り上げながら
「……多分、
「えっ?」
驚きの表情を浮かべる
「
「あるべきではないニオイ、ですね」
「残っています。この前のカラスの妖魔と人間の女の子。女の子のほうは密航船に残っていたニオイと同じです。最初にカラスの妖魔に襲われたときもそうだったんですけど、たぶんこの女の子が結界士で、妖魔の気配をニオイごと隠してるんだと思います」
「やっぱり」
彼女はここで起きたであろう出来事を瞬時に悟った。
外にいた2人組、サバドとフリッガーに
そしてここに死体がないということは、
そう思い至った
「
「そ、そんな」
動揺する
「
落ち着かせるようにそう言う
敵に結界士がいる以上、
だが悠長には構えていられない。
ましてや
胃の奥からせり上がってくるような
「私の
そんな
「いつ
だが
「いないのであれば探しましょう。もちろん私も
世間知らずのお姫様が感情のままに口走った言葉かと思ったが、白雪の目には強い光が浮かんでおり、その腹が据わっていることをうかがわせる。
先ほど見た白雪の腕前を考えれば加勢はありがたい。
そう思いながらも
「ふん。いいわ。ただし一つだけ約束しなさい。自分勝手な行動は控えてもらうわよ。
初対面の相手と共闘するとなれば、互いが我を通そうとすれば返って戦況を悪くしかねない。
自滅することだけは避けなければならないのだ。
自分が倒れれば
「約束を守る義務はありませんが、
そう言う白雪の目は、穏やかながら譲らない強さを秘めた光を帯びていた。
「いいわ。借り一つね。それは後で聞いてあげる」
その時、部屋の隅で
「結界士の護符のカケラを見つけました」
彼女の小さな手の平には、小指ほどの小さな紙片が乗せられていた。
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