第6話 二人の愛の巣!? バスハウス
バスハウスの中に入った
バスは外国製のそれで、内部は運転席を含め座席はすべて取り外され、変わりに家具や水道など各種住宅設備が配置されている。
そしてそれを半分ほど一気に飲み干す。
「ぷはあっ! ……腹立つ。あの女。超ムカツク!」
ダンッとペットボトルを机に叩きつけ、
部屋の奥から甘ったるい香りが漂ってきている。
「なに? このニオイ……」
嗅ぎ慣れないニオイに鼻腔を不快に刺激されて
「モヤッとしてハッキリしない気持ちの悪いニオイだな」
そう言う
「あんた。芳香剤か何か買ったの?」
「んなもん俺が買うと思うか?」
「そうよね……」
「何かしらこれ?」
そう言って
自分で買った覚えのない
「
そう言いかけた
そこではムーディーなBGMにのって外国人の男女があられもない格好でまぐわっていた。
いわゆる洋画のベッドシーンなのだが、かなりきわどいラインまで丸見えだった。
「な、何よコレ……ちょ、ちょっと」
そう言うと
暗転した画面に彼女の激烈な怒りの
彼女はすぐさまブルーレイデッキのオープンボタンを押すと、中から一枚のディスクを取り出した。
そのディスクのラベルを見た
「
「ひ、人聞きの悪いことを言うな。俺は知らん」
身に覚えのないことを突然追求され
「まがりなりにも女子と暮らしてるんだからマナーを守れ! 出来ないなら追い出すよ!」
「濡れ衣だ! それにここはもともと俺の家だぞ。何で俺が追い出されなきゃいけないんだよ」
必死に応酬する
「あんた以外に誰が……」
そう言うと
「
ギリギリと歯を食いしばってそう言うと、
その勇ましい背中を見送りながら
「まったく、俺を疑ったことを少しは悪いと思ってるのかアイツは……」
十数秒ほどして
「いなくなってる。どうせどこかで
「犯人は俺じゃなかったろ。だいたいおまえは
そう言い
「フンッ! 変な汗かいちゃったわよ。シャワー浴びるから」
そう言うと彼女はシャワールームへと消えていった。
恨めしげにそちらを見ながら
「はぁ……俺への
少しするとシャワーが流れる音が聞こえてくる。
バスハウスには上下水道が引かれていて、オール電化になっている。
1階にはバスの前方部分から2階に上がる階段、ダイニングキッチン、シャワールームに洗面所、トイレと続き、中ほどよりやや後部に位置するバスの入り口が玄関となっている。
その奥には申し訳程度に
2年前にここに住み始めた
彼らの仕事の内容、そして二人の能力の相互依存性を考えれば、昼の間はともかく、妖魔の相手をすることになる夜の間は出来る限り二人一緒にいたほうがいい。
それは
彼らの仕事の性質上、妖魔らに逆恨みされることも無いとは言えず、万が一にも突然の襲撃を受けたときに二人は一緒にいなければ満足に戦えない。
だからこそバスハウスを広々と使っての悠々自適の暮らしが一変し、2階をすべて
ちなみにこの家における占有比率は
無論この格差には当初、難色を示した
「でもまあ、アイツのおかげでようやく仕事が順調に回り始めたからな。どんな境遇でも
「きぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁあああああ!」
聞いたことがないような
「イテッ! な、何だ?」
背中を打ちつけた痛みに顔をしかめながら
「ちょ、おまっ! 何て格好で……」
仰天して思わず
だが
「虫っ! ムシムシっ! 取って!
「
「早く! 何とかしてよぉ~!」
「ちょ、ちょっとおとなしくしてろ」
そう言うと
「
「たいていの女子はさっきのアレを見れば怖がるわよ!」
キッと
「シャワーのノブを
そのことを想像すると
「そ、それは手の込んだ嫌がらせだな。
「あのバカ女ぁぁぁぁぁぁぁ! やっていいことと悪いことがあるでしょ。絶対許さない!」
怒りのままに勢い込んで立ち上がったため、
はじけんばかりに健康的な
「あ……」
「あ……」
時が止まったように二人は互いに動けなくなったまま視線を合わせた。
「あ、いや……妖虫を追い払った功績に免じてカンベン……」
「バカァァァァァァァァッ!」
「はひゃあ!」
「ぐふっ……」
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