【何も】知らない少年と【全て】知っているキートンさん

心響

第1話 ひとり ふたり

「。。。」

誰も居ないはずの町はずれの山の麓で

血が一人の少年の周りに飛び散りながら

その中心で少年はただただ立っていた。


私は車をすぐに止めとっさに左側の窓を開け声をかけた。

「おいっ!大丈夫か!」


「。。。」

少年は声を発さない。


すぐさま車を降りて

駆け寄った。


血まみれの少年の両肩に手をかけ

大丈夫か!大丈夫か!と何度も問いかけるも

やはり答えは無い


すぐさま携帯で○○に電話をしようと試みたが

焦りから携帯を落としてしまい山沿いに流れる川に一瞬にして吸い込まれてしまった。


「おーい!子供が血まみれで大変なんだ、、誰か居ないのか!!おーい!」

声は山びこになり響き渡る。

しかし助けの手は来ない。

そして私は1秒も掛からない内に病院までの最短ルートを描き出していた。

この場所から病院までは40kmぐらいである。


その時

「&%#*、、グルルル~」

と少年のお腹は現状お構いなしに音が鳴る。


そんなことも気にしないで私はすぐさま

少年のケガの部位を探す。

「痛くないか、、ここは痛くないか、、ここも痛くないか、、」

と全身触れてみたが

何度問いかけても返事はなく、顔をしかめる様子も無かった。




どうやらケガはしていないようだ。。。

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【何も】知らない少年と【全て】知っているキートンさん 心響 @wakuwakuegao

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