エピローグ
次の日曜日、ようやく彼と映画を観に行くことが出来た。
「どうだった?映画の感想は」
「うん、ヒロインの女の子がかわいくて、切なかったね、でも最後は‥」
「ふ〜ん、宮森君はああいう子がいいんだ?」
「えっ?」
「わたし似てないかな?あのヒロインの子に」
「そうだね、入れ替わった後によく似てるかもね」
「えっ、そっちなの?どうせ、わたしは女の子らしくないよ!」
「ハハハ、冗談だよ。寺坂さんはちゃんと女の子だよ」
「どこがよ?玲奈に宮森君を勘違いして思いっきり引っ叩いたこと話したら、ドン引きしてたよ‥よく彼女にしてくれたねってさ」
「あのこと、話しちゃったんだ?」
「宮森君は絶対に超の付くドMだってさ」
「ドMね‥そうかな?みんな知らないだけだよ、寺坂さんがどんなに可愛らしいかって、一生懸命早起きしたり、寝癖直したり、嫉妬したり、これってちゃんと女の子だよ、僕だけが知ってる寺坂さんなんだよね」
「宮森君だからしてるんだからね!」
「だから、僕しか知らなくていいの」
「宮森君‥ありがとう」
「さて、寺坂さん、そろそろバイト行きますか?」
「もう、宮森君、敬語になるの‥早すぎ」
「そうですか?」
「そうだよ!バイト先以外は敬語禁止だからね!」
「え〜っ、この後輩キャラ結構好きなんですけど‥」
「ダメ!まだ仕事モードじゃないの、クリスマスの予定だって決めてないんだからね!」
「クリスマス‥もう決まってるよ、バイト休めないと思うよ、書き入れ時なんだからね」
「そんなクリスマスは絶対いや!宮森君が、彼氏がようやく出来たのに‥必ず二人でどっか行くんだからね!」
「わかった、せっかくのクリスマスだからね、考えておくよ」
「うん、よろしくお願いね!」
「おはようございます!」
「おはよう、寺坂さん、宮森君、いつも一緒に通勤で仲がいいね!」
「店長、職場恋愛、いいって言いましたよね?」
「もちろん構わないよ、特に寺坂さんと宮森君はとってもお似合いだと思うからね、だから、二人にちょっと早いクリスマスプレゼントをあげるよ」
「何ですか?」
「二人仲良くバイトのシフトを入れたから、クリスマスイブとクリスマス、頑張ってよね!」
「え〜っ!そんな‥」
「休み取る人が多くて困ってたんだよね、でも二人はここで仲良く素敵なクリスマスを過ごせるんだから、羨ましいな〜」
そう言うと店長は笑いながら奥へ行ってしまった。
「そんな‥店長の意地悪!」
「寺坂さん、仕方ないですよ、バイトが終わったらいつものカフェで二人でクリスマスしましょう」
「もういや!絶対、バイトなんか辞めてやる!」
ー完ー
女子力ゼロでバイト漬けのわたしに彼氏なんか出来る筈ない 神木 ひとき @kamiki_hitoki
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