第101話八重にほふ

八重にほふ

     軒端の桜

         うつろひぬ

              風よりさきに

                    訪ふ人もがな

               

                          新古今137


満開の八重桜は


そろそろ 花の色も 移ろってしまいます。


風が吹いて 花びらを散らす前に


どなたか 訪ねてくれないのでしょうか



〇式子内親王様の甥の惟明親王に、家の八重桜を折らせて届けた歌。




本歌は


宮人に ゆきて語らむ 山桜

             風より先に 来ても見る

          

                        源氏物語 若紫

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