第20話父後白河院の死
斧の柄の
朽ちし昔は
遠けれど
ありしにもあらぬ
世をもふるかな
(新古1672)
仙人の碁を見ているうちに
斧の柄が朽ちて
家に帰ってみたら後の時代になっていた
という昔話があるけれど
私自身が 以前とは 全く異なる人生を送っている
※「斧の柄のくちし昔」
中国晋代の故事:木を樵りに山に入った王質という男が、仙人たちの碁を見ているうちに、自らの斧の柄が朽ちてしまった。家に戻ったところ、故郷の様子が一変していたという話。
仙人の住む世界は、父後白河院在世の仙洞御所
たとえにより、自らの身の回りが激変したことを、詠んでいる。
斎院を降りた後、内親王は住居も転々とし、なかなか不如意なことに見舞われたらしい。
父後白河院の絶大な権力が後ろ盾であった時代と、それを失った今、その格差にどうにもならない想い、生きていることの苦しさが「世をもふるかな」という結句にまとめられている。
やはり、人生は、男女の恋愛や花鳥風月ばかりではない。
様々な現実の世界で、想いも揺れ動く。
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